人の気持ちはわからない。
人はそれぞれ違う人生を歩んできているから、心の中も千差万別。
簡単に答えにはたどり着けないものだ。
だから想像する。考える。
繰り返し繰り返し・・・それしかない。
そのうち正解したり、やっぱり不正解だったり。
それを何度も何度も繰り返しながら、やがて相手の心を掴めるようになっていくもの。
それが人生。
たとえばこの陶器でできた、ユーモアあるソルトケース「塩振り力士」は、今何を考えているのか？
「私は塩を振る役割があるのに、なぜ塩が入っていない？」
と思っているのか？
「仕事をしなくて済むからラッキー
」
とほくそ笑んでいるのか。
「私はインテリアとして飾られている置き物だ」
と、堂々と僕たちを眺めているのか。
彼と向き合い、やはり想像する。
だけど、そうやって想像することは悪くないもので、やはり様々な訓練になる。
いろんな可能性があることに気付いたりもする。
そう。
身の回りにはたくさんの教材があるものなのだ。
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（令和3年3月21日 読売新聞朝刊）
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