「いいかね、おまえら。我の言うことをちゃんと聞くがね」

 

 

 

「は、はい。なんでしょう」

いつになく神妙なガガの口調に、僕たちは居住まいを正す。

 

「我は偉大な龍神だろ?」

 

「はあ、もちろん」

「まあ、そうね」

 

僕とワカは密かに目線を交わした。

ん?これはなにやらな気配だ。

ガガの愚痴が始まるか?

 

「しかしだな……最近我の存在感が小さくなっている気がするのだよ。おまえら、我を蔑ろにしているのではないかね?」

ガガはあたかも僕らのせいだと言わんばかりに、不審者を見るような目でこちらを見る。

……や、やっぱり(^^;)

 

「いやいや~、そんなことありませんってば。あくまでも僕たちはガガさんあって今があるわけで……」

ガガの不満がどこにあるのかわからないまま、僕はなんとかその場を取り繕おうと話をまとめようと努める。

しかし、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか……、いや、絶対に知ってはいるのだろうがそれを無視してガガは話を進める。

 

問題は妻見えなのだよ。この本が出てから、どうも我の出番が少なくなっている気がするがね」

 

ガガの言い分としてはこうだ。

 

 

「妻は見えるひとでした」が出版されて以降、

 

やれ守護霊だ。

 

 

やれ座敷童のお花ちゃんだ。

 

 

死神Hだ。

 

 

謎の梵さんだ。

 

 

 

挙句の果てには、ギャンブルの神様まで

 

 

登場する始末あせる

 

どうも龍神であるガガさんが蔑ろにされているのではないかと、文句を言いにきたらしい!!

 

「いやあ、ガガさんそれは大きな誤解ですよ。偉大なる龍神ガガを蔑ろになんかできるわけがないじゃありませんか!」

僕は両手を広げてガガに訴える。ひたすら訴える。

しかし……

 

「なんかわざとらしいがね」

 

ギクリ!!

い、いや……。

本当にそんなことはないんですよ。僕はガガさんが一番なんですよ、信じてみんなっあせる

ただ、ブログを書く上でバリエーションが増えたなあとか、読者の方にもいろんな形の話ができるなあとは思っていましたけど……ムニャムニャ……

 

 

しかし、僕の本音が顔に出たのか、

 

 

「あ。いろんなバリエーションができてキャラが増えてから便利だってさ、ガガ」

と、ワカさんが餅を食べながら図星を突いてくる。

 

うぬう、そこは忖度して黙っていて欲しいところであった。

ってか、なんで今の季節にキミは餅を食ってるの?あせる

 

まあ、そんなこんなでガガさんはやっぱりカッコよく登場したい欲求があるようです。

まったくもう~、自分勝手な……だけどここがガガのいいところなんだよなあ。

そして正直、ガガの人気はやっぱりすごい。本当に多くの人たちを魅了してきた龍神さまというのは真実である。

 

だけど……

 

「そもそもだな、我はタカに出ていけと言われたのだよ。

出て行けバーカ。おまえの母ちゃんでーべーそー!

そう言われて、我は流浪(るろう)の龍神になったのだ。

なんと可哀そうな龍神であることか……」

ヨヨヨ……と、ガガさんが悲しみの声を上げる。

 

……僕はそれを聞きながら思う……

僕は一体いつまでこうやって責められるのだろう?

というか、完全にネタにされてるよ……(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(令和3年3月21日 読売新聞朝刊)

 

 

 

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