アタシはパセリ。
濃いグリーンのきれいなパセリ。
アタシは地味に人気者。
お弁当やレストランの一皿には欠かせない。
白いご飯や茶色いお肉たちには
「キミがいるだけで僕らが美味しそうに見えるよ。
感謝している、ありがとう」
と言われるわ。
素敵なパセリ。
きれいなパセリ。
だけど、主役にはなれないの。
なぜなら、パセリだから。
そして、アタシはけっこう残されるわ。
お弁当の片隅に、お皿の脇に、あたりまえのように残されることが多いのよ。
そして生ごみとしての悲しい運命を辿るのよ。
わかってるわ、わかってるの。受け入れている運命よ。
だけど、その度に思うの。
飾りじゃないのよパセリは、ハッハーン
って。
中森明菜が好きだったわ。
「飾りじゃないのよ涙は」は名曲よ。
そして同意しちゃうわ、アタシも飾りでだけはいたくないもの。
ああ、今夜も飾りで終わるのかしら。
皿の脇に追いやられて、「キミはしょせん飾りさ」という現実を思い知らされるのかしら。
ああ、憂鬱だわ。
と、思ったのだけど！！
この家の人間は
パセリを食してくれるのね。
モシャモシャ。
そうよ、たまにこんなことがあるから報われた気になるわ。
彩り添えて、そしてたまには食べられて。
パセリ冥利に尽きるってものよ。
パセリを刻んで、バターで炒めて、温かいご飯に混ぜると、
美味しいバターパセリライスになるプチ情報をお伝えしておくわ～。
パセリより
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