高校1年の夏休み。突然、我が家は小さな旅に出た。行き先は山形。
今でこそ日常に山形はあるけれど、当時は全く知らない場所だった。
高校生になって初めての夏休みだったけど、意外と時間を持て余していた。うちの学校は厳しくて、バイトも禁止だった。
まあ、バイトなんかしなくてもお小遣いはたっぷりもらえた。
そして父親も忙しかった。ほとんど家に帰らない。思えば我が家の最大のバブル期であった。
欲しいものは何でも買ってもらえた。うちはすごいなあと思っていた。社会的地位とお金だけが人の価値だと思っている自分が、
心のどこかにいた。今考えたら、なんとまあ生意気なJK(女子高生)だろう。
親という大きなバックを、あたりまえだと思っていた。
退屈だった。同級生が子どもに見えた。大人の世界に入りたいと思っていた。
なんていうか、少し冷めていたかもしれない。
山形に行ったのは父の仕事でだ。急にそちらに向かわなければならなくなり、「おまえたちも一緒に行くか?」と母と弟と、
それから父が大事にしている一番上の父の姉(私のおば)奇しくも5人で思わぬプチ旅となった。
父は真夏だというのに背広を着ていた。母は薄いピンクのシャツを着て、「楽しいねえ」と助手席から後ろを振り返った。
おばも弟もはしゃいでいた。そう、家族でどこかに行くというのは、我が家では珍しいことだったのだ。
かく言う私も浮き立っていた。夏休みが終わったら、この旅を自慢できると思った。少し高級なお土産を買って、ちょっとした格差を見せつけよう。そんな不遜なことを考えていたかもしれない。
宿は父の行きつけの高級旅館だった。大きな部屋。親切な女将と中居さん達。みんながわざわざ挨拶に来た。
嬉しいようなこそばゆいような、なんだか自慢したいような、私は鼻が高かった。
ところが、父は私たちを置いて宿を早々に出ていった。仕事である。
代わりに運転手らしき若い男性がやって来た。
県内をご案内します、とにこやかに言った。
私は一気につまらなくなってしまった。
なんせ、父の下ではどこに行っても優遇される。大方のことは聞いてもらえる。
嬉しくはあるが、おもしろくないことも多かった。
わかるだろうか、この葛藤する矛盾だらけの子の心(笑)。
つまんねーんだよな、なんでも自由にやりたい放題、退屈だ。
ふと私は、この若い運転手を困らせてみたくなった。おもしろそうだ。
私が言ったら、この男はいうことを聞かなきゃならないだろう。
さて、どうしよう・・・
(ワカさんの戯れ遊び、12月6日号より抜粋)
皆さん、お晩でございます。
今夜は騒がしくてすんませんなあ。
暁ですよ。
明日のメルマガ、
なんといっても一番の目玉はこの、
ワカさんの戯れ遊びの続きでしょうなあ。
まあ、子どもの頃のワカさんは無邪気ながらも残酷な、イノセントなお人やったんやねぇ。
この続きが気になってしゃあない、とこの一週間問い合わせが絶えませんでしたわ。
ご安心を。明日、完結しますえ。
ここでしか読めん、不思議な不思議なある出来事。
こうご期待やで。
あ、編集者さんも興味あったらぜひ読んでみてなぁ。
それにしても、なんや営業っぽくてごめんやで。
せやけど、正直営業ではないんよ。
言うまでもないやろうけど、もう充分読者の皆さんがおるし、殿堂入りも果たしております
ただ、どうしてこんなに推すかというとやねえ、
なんせ、本当に
今のメルマガは神がかってるからなんよ。
ちょうどガガさんの宝くじ企画もあって、それが明日〆切ですやろ?
単純に応募できんかったら、
もったいないやないの。
あら、太夫のくせにケチでごめんやよ。
せやけど、わっちはなんでもやってみんとわからんっていう性分なもんでねえ、
皆さんにも一歩踏み出して欲しかったんやよ。
そしてねえ、皆さんお気づきかもしれんけど最近のメルマガ、ちょっと変わりましたやろ?
もっともっと充実させようと、
スーパーメンバーで、会議を行いましてな。
これまで表に出さなかった話や写真なども、出していこうということになりましたんや。
そんなわけでなあ、少しずつ
生まれ変わっているメルマガを今後ともよろしゅうお願い致します。
ああ、
ガガさんの名言(迷言?)は
「果実の成る木、一本でも神になる」という深い深いお話ですえ。
さ、長ーい予告が終わりました。
もうわっちらは、なーんも言うことありません。
いらしてくださるお人を
みーんな受け入れるだけ。
お待ちしてますよ。
どうぞどうぞ、扉を開けてみりゃさんせ。
きっといいことありますからねえ。
それでは、明日の午前9時に会いましょなあ。
暁
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