緑色のテントみたいな布みたいなものをかけたり、右の胸の部分は切ってる様子がうかがえる。
そのときにはもう、顔のうえのほうにもかけられていて、見えるのは自分の手ぐらいのもの。
頭の上の麻酔の人が、大丈夫ですか?と時折声をかけてくれる。
麻酔をうつからねと、先生の声が聞こえ、4ccとかきこえた。
0.5の1本目ね と、看護士さんに伝えている。
ってことは、8回うつってことかもと、覚悟する。
そのときだったか、麻酔さんが、あれ?あれ?となんか動揺してる^^;
どうやら、血圧かなんかの?スイッチがオフになったようで(爆
先生がクールに、オフになってるからでしょ。これだよ♪と^^;;
すいませんすいませんと、麻酔さん。
何も見えないから、なんだかもー怖いのなんの(爆
何か間違っちゃいやだよと、つぶやいた。
1本目、ちくんとぴりぴりーっと、痛い。
2・・3・・ だんだん痛い部分が移動してる。
5本目くらいだったか。
左の目から涙がつつーっと流れてしまった。
自分でも意識してなかったから、ちょっと動揺した。
私、センチメンタルになってるのかも。
こんな姿で、唯一の自信をもっていた胸を切られる今。
なんの自慢もない私だけど、プロポーションだって悪いんだけれど。
胸だけは、好きだったのに。
悲しくなってしまった。
知らない人に、サインペンでシルシをつけられ、実験台のように、効いたかな?と確認されながら麻酔を打たれる。
とてつもなく、みじめだった。
この期におよんで、こんな気持ちになるなんて意外だったのだ。
私は、手術を全部記憶して、分析してやるんだっていう意気込みだったのに。
流れる涙は止まらない。
8本目が打たれ、全く感触のなくなった胸を軽くたたきながら、
先生は、理想的でいい感じだなと、いった。
そしてあのなんともいえない、ジジジジーという電熱がなにかを焼くような、
おそろしくもおぞましい音とともに、振動が伝わり、そして肉の焼ける匂いが鼻をついた。
これは、私の肉の匂い。
私は身体を切られてる。
腫瘍はこれから、あら こっちだ いあーめんどくせいこれ、うごくな腫瘍
とかいいながら、先生は楽しそうだ。
私も楽しもうとした、でも無理だった。
最初は言葉を返して、いたものの。
不快になってしまった。
傷はどのくらいになるのか。
同僚の、「温泉で胸を切った人が堂々と歩いていてびっくりしちゃったよー」という言葉を思い出した。
彼女は悪気はまったくないのだ。温泉にいたかたを卑下したわけでもない。
ただ、ご病気で戦ってるひとは本当に強くて、素敵だと言いたい意味だったのだ。
しかし、自分の傷のことを手術中に考えた私は、
私もまた、胸に傷を負う人で、温泉に入れば人様からいろんなことを思われる存在になるのかもしれないと
悲しい気持ちになった。
この状況では、やはり手術台の上では、とても楽観的でいつもの調子の自分にはなれなかった^^;
腫瘍をあの忌々しい匂いとともにやききったふうで、取り出してもらった。
オレンジ色の皮下脂肪がついた、白い塊のそれは、いろんな色がついていてびっくりした。
悪性の色っていろんな色だったんじゃないかと。
そうしたら、薬品でついた色なんだと先生がいったので、ちょっとほっ・・・
表面は白いほうなので、この見た目だと悲観的ではないよ、
でも、細胞診で中のほうがちょっと心配があったからね。ちゃんとこれも調べようね。と。
術中、通常点滴しながら、あとのほうで止血止めと何か別のをいれられたのだが、
それが、非常に痛かった。
今もまだ、大きな内出血だ。
手術が終了し、手術室の隅で着替えた。
麻酔さんが片付けしながら、とても優しく声をかけてくれる。
思わず泣きそうになる。
背中にあててくれた手のひらが、とてもあたたかかった。