ほんの少し | はみだし講師ラテン系!

ほんの少し

先日、高校時代の友人が癌で逝ってしまいました。
昨年の夏の同窓会で病名と病状を告げられ、
彼を囲んでの同期会を早くしなければと考えました。
FBでの同期の繋がりを少しでも広げ、
体調の良い時に多くの友人と彼を囲んでとの願いも届きませんでした。
夏過ぎに体調を崩し、検査、手術、治療を行っていたそうです。
その間も何度か連絡を取っていましたが、
とても外出が出来るような状態ではなく、
でも、本人は、「良くなって、皆と会いたい。」という気持ちでいたのです。
年明けすぐに、状態が悪いとの連絡をもらい、
日曜日毎に見舞いに行くようになりました。
彼の人柄を表すようにいつも多くの見舞客がいました。
高校時代はクラスも同じになったことがなく、
全く別の道に進んでいても、
同窓会で気軽に声を掛けてくれて、受け入れてくれる、
そういう奴なのです。
1月8日、思っていたより元気そうで、2~3日前に外出をして、
競輪場に行ったなんて話をしていました。
見舞いに本の差し入れをしました。
1月15日、この日も割と元気で、癌研の話なども聞きつつ、
食べられるもの、食べたいものを聞いて、
FBの登録をして、皆と連絡を取るようにと言ってきました。
見舞いに音楽の差し入れをしました。
1月22日、病状が悪化したとの連絡をもらい、
千疋屋のゼリーを見舞いに持って行きました。
先週までとすっかり変わってしまい、声も出せない様子に、
こみあげてくるものを堪え、
「ゼリーなら食べられるって言うから、持ってきたぞ。」
「来週29日は姪っ子の結婚式で来られないけど、
その次は来るから、頑張れ。」と。
「分かってるよ。結婚式だよな。」と。
この日は40人以上の友人が見舞いに来ていたそうです。
FBで友人とつながったと、奥様からお礼を言われましたが、
そんなことしか出来ませんでした。
 
1月28日土曜日、夕方、授業を終えて、メッセージを見ると、
28日の朝、彼が亡くなったと。
 
 
生きていく中で、いつもこんな風に思います。
ほんの少し、運命は意地悪だと。
彼の癌が、ほんの少し早く見つかっていれば。
癌の位置が、ほんの少し分かりやすかったら。
そして、ほんの少し長生きしてもらいたかった。
 
僕の仕事もそうです。
ほんの少し、のところで、いつも試練を与えられます。
 
でも、これが生きていくということなんだと、
分かっています。
もしも、全てが順調で、何もかもがうまくいくような人生だったら、
きっとつまらないものだと感じるのだろうなと。
 
2月1日水曜日、晴れ。
告別式に行ってきました。
棺の中に、しっかり病気と闘った彼がいました。
 
彼が僕の中に残してくれた強い気持ちを
忘れることなく、生きていこうと思います。
 
田所直喜、ありがとう。