ニッポンって・・・ | はみだし講師ラテン系!

ニッポンって・・・

昨夜、24時間テレビのドラマのエンディングの頃に帰宅して、
主人公が亡くなる場面を見ました。
最初から見ていたら、きっと感動していたんだろうなと思い、
しばらく番組を見ていました。

すると、「ニッポンって・・・?」と人々に問いかけるコーナーで、
「平和。」だとか「安全。」と答える人の姿が映し出されました。
確かに、他国と比べればそうかもしれませんし、
現実にそうであるとは思いますが、その平和や安全は、
国民一人ひとりが形成しているのだと改めて感じ、
職人の技術力が高いということ等に代表される日本の魅力に対して、
自分は協力出来ていないのではないかと思いました。
もちろん1億3000万人全てが優秀な職人であるはずは無いのですが、
では自分は平和や安全に寄与しているのかと疑問に思ったのです。

今この国が非常に危ういところにあると感じるのは、
若者の非常識な行動に対してもですが、
それ以上に年配者の思慮に欠く発言に対してです。
ある映画の喫煙シーンにおいてや、ある漫画の閲覧制限等といった
枝葉末節のことを取り上げ、
投票率の低さに代表される根幹に対してのアクションが少ないのです。
もちろん細かなことも大切なのですが、例えば上記の2つのことは、
社会的な視点からではなく、個人的な趣味嗜好に関わることであって、
嫌な人は見なければ良いという程度のことだと思うのです。

こういったことは水掛け論になり易く、
結局はどうでもいいことなんでしょうが、
何か大切なことを多くの日本人が忘れているようなそんな気がしてなりません。

子供にものを教えることを仕事にしていますが、
毎日そのことの難しさに直面しています。
簡単な方程式が解けない子供や簡単な言葉が理解出来ない子供に、
物事の本質や本当に大切なことを伝えるのは困難を極めます。
辞めたくなることもあります。
でも、辞めないのは、たまに嬉しいことがあるからです。
この夏期講習が始まる前に、ある母親が、
「息子が、『お母さん、塾に通わせてくれてありがとう』と言ってくれました。」
と話してくれました。
そんな風に思ってくれる生徒を教えられることは、この上ない喜びです。
全ての生徒がそんな風に思ってくれるわけはありませんが、
一人でもいてくれたことで、自分がやっていることの正当性のようなものを
感じることが出来ます。
こういう風に他人からの評価が自分自身を形成していくことを
しっかり伝えていきたいと思います。

先日の緒方貞子さんの番組や、もう少し前の石橋湛山の番組を見て、
日本人の、いや、人間としての考え方や行動、言動をもっと多くの人が学び、
実践していけば少しは世の中が良くなるのではないかと思いました。

この夏、「初秋」を読み返してみました。
スペンサーのようには出来ませんが、
少しでも、誰かの力になれたらと・・・。

この世界に暮らす人々が、一人でも多く、
ほんの少しでも幸せだと感じることが出来れば、それでいいんですけどね・・・