許してあげたい・・・ | はみだし講師ラテン系!

許してあげたい・・・

~記事より~
 埼玉県和光市のアパートで昨年末、2歳男児が焼死した火災で、
 さいたま地検は27日、スノーボードに行って留守だった母親(24)を
 起訴猶予処分とした。
 埼玉県警は先月、母親を保護責任者遺棄の疑いで書類送検していた。
 同地検は、母親が食事を用意し、負傷するようなものを片付けていたことなどから、
 生じ得る危険性の程度は小さかったと判断。
 母親が男児を残して夜間に働きに出ていた火災発生までの半年間、
 男児にけががなかったことからも、
 男児に危険が及ぶとの母親の認識は薄かったとした。

この事件が起こった時に、初めは
「またか!」
と思っていました。
が、この事件について、しばらくしてから、新聞に、
この母親を取り調べた警察の話が出ていました。
それによると、彼女は、2年間、子供を一人で懸命に育て、
昼も夜もずっと働き通しで、そして、本当にたった一日、
息抜きがしたくて、出かけ、起きてしまったとありました。
子供もかわいそうです。でも、母親もかわいそうです。
警察も彼女を責めることが出来なかったということです。

この記事を読んで、涙が出てきました。

それでも、子供を一人置いて、
出かけた母親は悪いという人もいるでしょう。
僕も随分悩みました。

そして、思ったことは、
もし、近所にたった一日、子供を見てくれる人がいたら・・・。
ということでした。

彼女は頑張り過ぎました。
そして、悲劇が起きてしまったのです。

日本も昔は、近所付き合いがあって、
子供を預けるなどということも、あったはずです。
僕自身も“鍵っ子”だったので、
近所のおばさんには随分かわいがってもらいました。
今の日本が失ってしまったものが、(近所付き合いも含めて)
この母子を苦しめ、子供の生命を奪ってしまったのでは、
と思いました。

僕も彼女を責める気にはなれません。
彼女はこの先、ずっと、
重い十字架を背負って生きていくのです。
その上、何を彼女に課す必要がありましょう。

この事件が教えてくれたのです。
僕たちは本当に大切なものと、尊い生命を、
失ってしまったということを・・・。

せめて、この子供の生命とひきかえに、
失くしたものを取り戻さなければならないのです。

亡くなったお子さんのご冥福を祈るとともに、
残された母親の幸せも祈ります。