私が選んだスペクトラム支援の名言(その7) | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

 「ビデオを見ると、一番うるさいのは教師なんですよ」
 これは宮城県のある支援学校の自主公開研究会の研究紀要にまとめられた自閉症Q&Aのページに出てくる眼鏡をかけた男先生の絵のコメントです。これを聞いて学校の先生方はどう思うでしょうか?
 多くのスペクトラムの子どものいる学校、支援学校の教室でも、教師はたくさんの話し言葉で教えている、一所懸命話すこと、話し言葉で説明することが教師の仕事だと信じて・・・  しかし授業をビデオで見ると、はっと気づく。教師の言葉が多すぎる、確かにうるさい。授業をビデオカメラで撮ることは、研究授業の他はほとんどないので、多くの教師はこのこと気づかず、自分の言葉がうるさいとは思ってもみないのではないだろうか?だからこの言葉は名言だと思う。コミュニケーションの苦手なスペクトラムの子どもにとって、話し言葉のシャワーはとても恐ろしい。子ども達は「先生、シー!」「ボクに分かる言葉で言って!」「見本を見せて!」「指さして!」「絵や文字で伝えて!」と、言いたいかもしれない。さらに「分からない」とうまく言えないから、その場から逃げたり、いらいらしたりするなど、不適切な行動を示すこともあるかもしれない。
 自閉症の子どもに教える時、定型発達の私たちは、視覚で学ぶという学習スタイルをもつスペクトラムの子ども達を尊重し、不必要な言葉かけは控え、分かる言葉、分かる具体物、絵や写真そして文字など、一人ひとりに合った手段を組み合わせて伝えていきたい、と思う。