「20分の1の意地」 これは障がいをもった子どもと接する時の支援者のモットーを、北海道のK先生が「片思いの礼儀と20分の1の意地」という見出しで、ある研究紀要にのせたコラムの1つである。この紀要は私が十数年来、何人もの仲間から貸してと頼まれながら、後生大事に持っているものです。「20分の1の意地のコメントにはこう書いてあった。「最初からうまくいかなくても、20回施行するうち1回ヒットすればいい、くらいの気持ちで頑張ろう。大切なことは、20回目のヒットまで19回の試行錯誤を続ける気持ちがあるかどうかなのだから。・・・」 私がTEACCHプログラムを学んで10年たった頃、いろいろなスペクトラムの子を担当して構造化を実践したところ、多くの子ども達は構造化がヒットして安定していった。一方、どんなにアイディアを尽くしてもヒットしないJくん、こうした頃出会ったのがこの「20分の1の意地」のコラムである。私はJくんにヒットするまで19回も構造化を試しただろうか? たった5,6回試しただけで音をあげたのではないか・・・・・。今となっては反省するしかない。TEACCHの再構造化とはこういうこと、つまり子どもの特性をつかみ、何度でも再構造化を繰り返す、そこに本物の支援の鍵があるのだ。このことを理解しながら、今の私にそんな意地がまだあるだろうか?