現在、知り合いのお子さん(日本なら中一かな?)に国語の教科書を

一緒に読んだりしながら、国語(日本語)のフォローをしている。

ご両親の一人は日本人だけれど、あまり子供と過ごす時間がなく、

もう一人は日本語が母国語ではなく(日常会話はできるけれど)

読み書きは難しいという親子。

 

読書好きな子なので、私が思っていたよりも漢字は読めるし、文章も

すらすら音読できる~ 早口すぎて(母親譲りだと思う:苦笑)、

飛ばしたりする「音」「文字」があるので、それをチェックしつつ、

慌てなくていいから、といって、きちんと読んだのを確認し横で聞く。

日本人でも出身地によって、抑揚(方言というほどではなくても、

イントネーションが違うこと、ありますよね?)に違和感を覚えることは

有っても、単語の意味が変わりそう(雨と飴、箸と端のような)な部分以

外は、とりあえず黙って聞いている。

あまり注意しすぎると、嫌になっちゃうだろうから・・・。

 

前回、俳句、川柳、短歌の違いを説明しながら、「じゃあ、作ってみよ

うか?」と。

雪だるま が好きだというその子は、雪だるまというと、季語としては、

冬の情景になるとわかっていても、どうしても夏でも使いたいという。

溶けるという風に・・・。 

私は国文科をかじったこともないし、教員免許を持っているわけでもなん

でもないので、この辺り…自己流の自分の知識で教えるのは…微妙だ。

~日本語教師の資格を取ろうとしたことはあった・・・結婚前だから、

もう35年以上前のこと。今は、日本語学校は、そこら中にあるけれど、

当時は・・・教師も少なかった・・・。だから、変に間違った使い方で

話す外国人にだけでなく、日本語を雑に扱う日本人にも腹立たしく感じる

ことがある ~

さて: ああ、これって川柳になるのかな?と考えながら、彼女の気持ちを

否定はせずにとりあえず、五七五のリズムにことばを乗せる、そういうこと

に興味を持ってほしいと思い(俳句嫌い、苦手とならないように~)話を

続けする・・・。

 

「雪だるま みんなと作ると楽しいな」・・・即興としては悪くないと思った。

 

先週、「矛盾」という言葉が出てくる故事成語について学ぶところでは、

矛も盾もしらない現代っ子に、身振り手振りを交えて、説明し、矛盾の意味が

分かるようにも補足・・・。

そして、今週、、、同じ個所に「蛇足」があった。

へびあし~と言って笑うわけだが、それを「だそく だよ」と言い換え、

どういう意味か想像できる?と、矛盾の例を出して考えてもらう・・・。

子供の想像力が豊かすぎて・・・(竜やドラゴンには、小さい足がついている)

イマイチ、正解にたどり着かないので、ヒントを出して説明すると、

ああ!なるほどと分かってくれた。

 

この程度ならいいのだけど、「ことばは、時代とともに変化して~」という

ことを取り扱っているところで、昔(もともとの使い方)と現代では、

話者の使っている意味・意図が異なってきている言葉が出て来ていて、

その”言葉”の過渡期には、相手にこちらの言いたいことが伝わっているか

’(相手の受け取り方が、どちら~昔風か、今風か?~かによって

全然通じなくなる)という説明があった。

 

とても寒い  と、現代は、普通に使う人が多いが、=私もそうだ。

もともと、「とても」というのは、「とても ~ ない」と

使うことばであったと・・・のこと。

「それは、私には、とてもできない 仕事です」のように・・・。

 

おおお、私にとっては初耳で「とても かんがえられ ない」ことだった。

 

もう10年以上前になるけれど、ニュージーランドに居た頃、豪州人の

姉妹(小学生)に月に1~2度、日本語を教えていたことがある。

教えるといっても、三年後、豪州に帰ったら、その小学校では日本語の授業が

あるから、忘れないように(ニュージーランドの学校では、日本語授業ない

ので)という程度で、日本語への興味を持たせ続けることが目的だった。

ゲーム感覚で、言葉を併せたり、選んだり、充てたり、日本語には

一日を、ついたち、と読んだり、いちにち と言ったりすることがあるよ、

とか、123の他に漢数字も使うんだよ、とか、そういった内容で

一回のレッスンで、一つでも、覚えてくれたらいいな、と思っていた。

彼女たちに日本語を興味を持ってもらえるようにと教え方を考えながら、

私自身も、日本語の多様性を再発見したりしていた。

 

それに比べたら、今回はちゃんと「国語」としての学びがあるように教え

なくてはならないのだけど、私自身が、国語の教科書を一緒に読みながら、

学び、教えられることもある・・・と、毎回感じている。

 

前回と今回、彼女に出した宿題がある。

シ ソ ツ ン このカタカナの文字をきちんと書くこと・・・。

日本人の中にも、この文字を(読むことはできるけど)書いてもらうと、

他人がそれを判別(どの文字か?・・文脈や単語から推察はできるけれど)

できないような文字になる・書き方をする人が多い。

上手な文字を書け、というのではない。

この四文字は、書き方(書き順というか?)がしっかりしていれば、分かる。

シソツン(しそつん …ひらがなだと間違えないのに~)、

「きちんと書けると、日本に帰った時、You can be proud of yourself 」と

言って、書きやすい筆ペン(止め、はらいがよく解るように)を(プレゼント)

渡して帰ってきたけれど・・・。

 

日本語&国語、知ってるつもりで、・・・国語のフォローしますよ、

なんて言ったけれど、私が学ぶことも毎回ある。

認識新たに学ぶこともあれば、反省することも・・・。 

「実るほど 首を垂れる 稲穂かな」

おにぎりが好きだという彼女に、次回は、この言葉とともに、

日本の秋や考え方を交えて話をしたいと思っている。

 

 

~ 了 ~ 

 

読んでくださってありがとうございます。

 

「いろはにほてと ちりぬるを・・・」彼女はこのいろは歌が好きだ

そうだ。

現代っ子らしく、「とても寒い」のところでは、その「とても」の

用法(昔の、元々の使い方)ではなく、

「え~、そういう時は、めっちゃ 寒いっていうよ~」と言っていた

が、古典的な言葉遣いや、古文にも興味を持っているのはいいなあと

思っています。

清少納言、紫式部、という名を聴いたことがないと言っていましたが、

大河ドラマ『光る君へ』・・・まだ見ても分からないかもしれないけど、

そのうち源氏物語を題材にした漫画本を読み始めたらいいのにな~と

オバサンは思うのでした。