昨日はカルチャーナイト。
普段、入場料を払わなくてはならない美術館や博物館、
オペラハウスなどにも無料で入れて、いろんなものが開放される日。
旧型(古い形)のトラムも市内の一定区間をその催しに動きやすい
路線で走る。
場所によっては「Culture night」の今日だけは、夜中の二時まで開いている。
昨年は、キレイに長く夕空を楽しめたほど晴れていたのに、昨日(今年)は、
朝は雪がちらつくほどの曇天で気温零度前後の寒い夕方だった。
ようやく午後四時過ぎ、なんとなく空が明るくなってきたかなと思えて
カルチャーナイトへの人出はまずまずだったと思う。
昨年は東洋博物館に地元のグループによる和太鼓の実演を聴きに行ったけれど、
お客が多すぎて屋内では聞けず窓の外から・・・夜の九時、それなりに寒かっ
たけど、真っ暗ではなかった。
今年、せっかく普段有料の場所が無料になるというので、ティール美術館に
行ってみた。
有名なノルウェーの画家、ムンクの、有名な方の『叫び』じゃないけれど、
初期の頃の画や別の『叫び』~スケッチのような(※)~が展示されていることで
知られている美術館だ。
ここには、何度もランチタイムに(有名なカフェもある。美術館の入場料を
払わなくてもカフェや売店は利用できる)来たことがあり、庭の彫刻や
建物の設えもクラシックで好きな場所だ。
でも、まだムンクさんには出会えていなかったから・・・。
年間パスを購入して、入ってみたことも有ったけれど、何処にムンクさんが
佇んでいるのか?発見できず終いだったから・・・。
結果、いました!ムンクさんたちが。
実は、見て、通ったのに、ムンクさんだと気づかず出てしまった大広間、、、
その上の、スケッチの叫びは、単に”気づかなかった”のだった。
有るはずなのに、と半信半疑で、でも、念のため、と思って、
売店のお姉さんに、そこで売っているハガキを指さして、「この絵は
どこにあるの?」と尋ねたら、教えてくれたのが、、、「上の階の左奥」。
何だあの広間か!と言う場所だった。
ムンクっぽくない感じがして、しかも誰かが(テレビ中継じゃないけれど
マイクに向かって何か話していた)手前の大きな画(これはムンク作品では
なかった)に向かって語っていたので、広間の下段に下りず、見渡しただけで
素通りしてしまった広間。
そして、そのもっと上の階には、スケッチ類のムンクさんの作品が展示されて
いた~のに、気づかず、その小部屋の天井や壁の設えを見てロココ調かな_、
丁寧な造りだなあなどと思って展示作品の説明も読まずに出てしまった~。
私のようなムンクさん目当てではないにしても、けっこう大勢が美術館に
足を運んでいた。
併設されている個々のカフェも、この日だけは夕方も営業。
現在のここのメイン展示は、スウェーデンの、ステファン・ヨハンソンの画。
淡い光、街灯や斜陽の時間や室内などの絵画の他、人物画(ポートレート)も
展示されている。
谷崎潤一郎の『陰影礼賛』とは違うけれど、明るい光が好まれる西洋にあって、
夜でもなく、冬でもない、ほの暗い感じの画風は、珍しいのかもしれない。
一緒に行った夫が「この人の作品は好きだなあ」と言ったのは意外だった。
Stefan Johansson’s (1876–1955)
*ここに画をコピーできないので(コピーライトの問題があると困るので)
下記・展示の紹介ページをご覧ください。
中に入る順番待ちの長い行列のできている場所もある。
これが、この街の、陽が長くなってきたことを実感するイベントの一つなん
だろうなと思う。
日の入りが20時15分頃なんだから・・・。
今日はさらに三分延びている(天気予報)。
日曜の今日、・・・さっき庭に出たら教会の鐘の音が聞こえた。
時間は午前10時。
足元には雪。
赤いチューリップのつぼみも、今朝は、咲こうとし待っているのではなく、
じっと寒さに耐えて閉じているように見える。
教会の鐘は滅多に聞こえないと思っていたけれど、普段は、窓を閉めている
から聞こえないだけなんだろうな。
この時間帯にたまたま外出していると耳にした程度だっただろうから・・・。
カルチャーナイトが終り、
来週末は、『桜まつり』が開催されることになっているけれど、果たして
桜は咲くのだろうか?
金曜の夕方通った時は、咲きかけの枝さえなかった。
今年は遅い・・・。
昨年の桜まつりは23日だったけれど(今年=明後日は、三分咲きにさえ
ならないだろうな)、見事に咲いていたから・・・。
そうはいっても、耐えて待てば、春は来る。
歩みが遅くても、道端には青や紫の花が咲きだし、広がっている。
水仙も咲き出している。
茶色の枝ばかりだった林の木々にも、枝先が黄緑色の網目のように見え
始めた。
春が早い年も有れば、今年のように、なかなか晴れない、なかなか気温が
温かく安定しない年もある。
昨夜のカルチャーナイト、雪や雨に降られなかっただけ幸いだ。
ムンクさんを観れて、本望。
※所蔵されている『さけび』は、リトグラフ。
人々はまだまだ街に大勢でていたけれど、私と夫は、ムンクさんで満足して
家路についた。
帰路、外からはバスもトラムもラッシュアワーかと思うような混雑した
車内の混雑の様子が見えた。
自家用車でも周れるけれど、たくさん見たい人(いろんな場所に行きたい人)
なら、いちいち駐車場を探すよりは、公共交通機関利用の方が便利だと思う。
だから、昔走っていたクラシックタイプのトラムやバスも特別に運行されて
いるんだろうな。
橋を渡る時、20時45分過ぎ、碧い夕闇が暮れようとしている中、東の空に
もうすぐ満月の、左下が欠けた月が白くぼんやりと街を見下ろしていた。
来年は、、、晴れるといいね。
~ 了 ~
読んでくださってありがとうございます。
今年が最後のカルチャーナイトだと思い、寒そうなのを覚悟して街に出て
行ってきました。
零下一度、、、でも、よかったです。