何もないような日常の、、、そんな毎日にも
え?っと思うようなことが、時々、起こる。
この夏のある日、我が家の台所(借家)のIHが壊れた。
それも朝ごはんを作っている最中に・・・。
まじかよ?って思って、何をどうやっても動かないので、あきらめて、
夫には、茹でてあった野菜とハムでご飯を食べて出勤してもらった。
味つけ海苔…後から思えば、引き出しにあったのだけど、こういうのは
貴重品なので、本当に何もおかずがない時の最後の手段。
今どきの、文明の利器(Youtube)のおかげで、夫がこの変な状態のIHを
直す方法を見つけてくれて、同じ日の夕方、無事に夕食を作ることができた
けれど、一日くらい、中華のテイクアウトをおかずにしての夕ご飯がいいな
あ~なんて思っていたのにな。
いやいや、直ってくれて、直す方法を見つけてくれてありがとう~。
文明の利器といえば、IH。まさか借りる家の台所(火元)がIHとは思わず、
日本から持ってきた鍋のうち、三つほど使えないものがあった。
これは、大きなショックだった。
文明の利器で、最新?のもの、でも、万能ではないってことか。
そして昨晩、夕ご飯を食べ終えて、冷めたコーヒーをレンジで温めようとした
ら、扉を開けたら変な感じ。レンジの、いつも点滅しているはずの場所が暗く、
扉を開ければ普通、庫内が明るくなるのに、暗いまま。
もしや?と思い、オーブンを観ると(レンジの下)こちらもタイマーや温度設
定のつまみを回しても何も反応なし。
ブレーカーが落ちたのか?と夫が地下に見に行き「もしかしたら、このヒュー
ズが飛んだのかも?」と。しかし、取り換えようにも同じ容量のはうちに在庫
なし。夫が電気屋に買いに行くまで電子レンジやオーブンは使えないことに。
ところが、今朝、朝食用に野菜や卵を出していると冷蔵庫もおかしい。
もしかして?冷えていない?なんとなく冷たいけど、いつもの冷気を感じない。
昨夜、アイスクリームを取りだした時は気づかなかったけどな・・・。
電子レンジ、オーブン、食器洗い機、そして冷蔵庫(冷凍庫)、同じ側に
並んでいるこの一連の家電が、全滅。
冷蔵庫の開け閉め(中の食材を少しでも守るため)ができないのは、辛い。
一晩で腐ってしまうとは思えないが、いろいろダメージが大きすぎる。
アフリカなら停電があるから常時、覚悟していたけど、いきなりやってくる
こんな日常の災難・・・。
結論から言うと、(朝起きてから)夫が再度、地下にあるブレーカー盤を
チェックして、もう一つ奥の大元のヒューズが飛んだのかも?とそちらを
交換(ワット数が違うので、こちらは在庫があった)してみたら、正解!
ついた!
冷蔵庫の唸る音も、電子レンジの点滅も、復活!
今夜のおかずになるはずの、パックの豚肉、、、大丈夫だといいなあ。
こんな家電のトラブルや、「この家に自分の祖父(現在95歳)が住んでい
たんだ」とこの家を観にドイツからやってきた家族(夏休み&キャンピング
カーで北上)がいたり、自分のこととしては、歯医者(クリーニングに行っ
たら、虫歯発見!)に行ったり、内臓チェックでCTを撮りに行ったり、
ありがたいことに暇というほど暇にはならない・・・。
その先日の、CTの帰りのこと。
まだ朝10時前で、街は静かだった。夏休みなので人が少ない。
地元の人は、みな夏休みで留守。観光客はいるけれど、繁華街であるこの
辺に観光客はこんな朝からは来ない。なので普段は通勤の人などで人も多い
ような場所も、今は静か。私は、せっかく普段と違うところへやってきた
からと少し散策をしようと思った。展望台のある公園に上っていくと途中で、
ベンチの下に手を伸ばしているオジサンがいた。
何か探し物ですか?手伝いましょうか?と声をかけたら、自分のスマホを
充電したいのだけど(その石のベンチには何やらワイヤーが繋がっていて
電気が通っているのか?)電源らしいものを探しているんだけど、見つから
ないとのこと・・・。
私も、土手のようになっているその場所の下から石のベンチを見上げてみたけ
れど、そういう場所はなさそうだ。近くのコンビニで充電頼んでみたら?と
いうと、ここを離れるのは大変だ、なぜなら、あれ(※)を持って行かないと
だめだし、残していくと心配だ云々。
電源はなさそうで、でも、私もそういうツールは何も持っていない。
私は、じゃあまたね、とそのまま通り過ぎるしかなかったけれど、首の後ろ、
両腕一面に入れ墨をしたオジサン、どうしたかな。。。
展望台から、空に広がる雨雲のような色の雲(積乱雲と呼ぶにはイマイチか?)を
従えた低い白い雲が街の半分を覆っている、遠く市庁舎まで見えた。
展望公園では、ヨガのようなことをしているグループ、ベンチで本を被って
寝ているような人、思い思いに静けさを味わっているようだった。
そうそう、バス停に向かって歩いている時、女性の裸体(ヌード)の像があった。
『ちこちゃんに叱られる』(NHK)で、銅像にヌードが多いのはなぜ?という
のがあって、解説の後半で(その理由ではなく、そこから派生して)日本は
(他の欧米と異なり)街中~公衆の場~で女性の裸体の像が多くみられる特殊な
場所(国)と解説されていたけれど、この国には、案外、女性の裸体の像が街中
の公園にも、バス乗り場付近にもある。
2022年、私が初日の出を見に行った場所にも、ビーナスの誕生(だったと思う)
というタイトルのついた彫刻像があった。ビーナスさんは、もちろんヌード。
何回か、数人に、この国の人と(この国と)、日本(日本人)は似ている点が
あるとか、そんな話を聴いたことがある。
公衆の場に、女性の裸体像がある(米国にはないらしい)というのも、共通点
として挙げられるかな?
いや、共通とは言えないだろうな・・・。この国で、その裸体の彫刻像が公の場に
置かれている理由と日本の場合(ちこちゃんで、日本の場合の理由も解説されて
いた)とは違うだろうからね。
マジですか?っていうことが起こったり、オジサンと出会ったり、街中の彫刻像
の発見をしたり、こんな私の日常は平穏と言えるのだと思う。
有難いことです。
~ 了 ~
読んでくださってありがとうございました。
文明の利器には弱く、あまり使いたくない派の私ですが、助けられることも
事実です。
余談)
※ アレ、とオジサンが指さして言ったのは、空き缶がずっぱり詰まった大きな
ビニル袋三つ。あれらを引きずる?持って動くのは確かに大変だ・・・。
これがオジサンの仕事なのだそうだ。
私は見るからに外国人で、この国の言葉も話さない(移民は、みんな話す。
職に就くためにも話せるように学校=無料=に行く、みんなこの国の言葉は読み
書き・話せるようになる)から、「どこから来たの?」と私に聴いた。
日本ですよ、と答えると、「この国はどう・来てどのくらい?」と尋ねたので、
「二年くらい。この国はイイ、好きです」と私は答えた。
勝手な推測だけど私が見たところ、オジサンは、この国では裕福な暮らしをして
いる人には入らないのかもしれないけど、きれいに空き缶を集め、それが彼の
収入になると、オジサン自身が納得し、そういう暮らしをしている。
この国はアルコール依存症の問題なども抱えているから、リハビリの人も多いと
いう。オジサンの空き缶集めは、もしかしたら、アルバイト的なもので本業は
別にあるかもしれない。でも正直に書くと、アルコールか、薬物かは分からない
けれど、再出発して、今、自分の生活を立て直しているところ、という印象の
オジサンだった。とにかく普段、出会うことのない人との出会いだった。
私が、「この国、好きです、いいですよね」答えた時、笑ってくれて
「Have a nice day!」と言って分かれたけど、彼にとっては、この国の高福祉
〈高というより、広福祉だと私は思う)は、どのように映っているんだろう・・・。
約20年前、フィンランドのバス停で、酔っ払い(立ち上がれないくらい)の
アル中っぽいオジサンを見かけて以来、福祉が行き届いていると言われている
国も、天国(万人にとってのパラダイス)ではない、問題だってある、と少し
引いて観てきたが、この国に住んでみて全体的には、やはり北欧は(日本より)
福祉は進んでいると実感している。
=以上=