桜の色は、桜の色・・・
ピンクというより、薄い桃色の桜の花が多いだろう。
八重桜とか、ピンクに近い、濃い桃色(色紙の薄い方のピンク?)も
あるけれど、ガーベラやボタンや椿にあるような、ピンクは滅多に見たことがない。
でも・・・。
今日、毎日する母との電話(スカイプ)で、母が、
「きっと、あんたがここにいたら、カメラを持って写真撮りに行っただろうから、
教えたかった」と、今日これだけは忘れずに私に伝えたかったというのが、ピンクの桜。
介護ヘルパーさんが仕事を終え帰ったので、その後、母は戸締りのために外に出た。
そしたら、ちょうど、うちの前の小学校の校庭に並んでいる桜が、夕日に染まって
ピンク色だったそうだ。
新潟も、すでに桜の満開。
しかもここ数日は晴れが続いていたので、私の地元もそろそろ満開も終わり頃・・・。
だから、満開に耐えて咲いている桜はすでに白身を帯びてきていたそうだ。
ところが、ちょうどうちの玄関を出て校庭に向かうと正面からは夕焼けが見え、
その西の陽光によって白い桜は、ピンクに輝いていたのだそうだ。
母がここに住みだして、60余年。
小学校がここに移転してから約45年だが、うちの前から校庭の桜を眺めたことは
数えきれないと思う。
でも、こんなにピンク色の夕日に映える見事な桜を見たのは初めてだ、と・・・。
「これだけは伝えなきゃ、忘れちゃだめだって思っていたんだ~」と興奮気味に
話す母・・・。
目に浮かぶ桜の木々と夕陽、、、なんだか泣きそうになった。
来年は見れるかなあ、なんて返事をしたけれど、来年の今頃、日本に帰っている
とは限らない(別の国に行くとしたら、母はがっかりするだろうな)・・・。
まあ、それに、日本にいても、桜の頃、帰郷するとは限らない・・・。
でも、分るよ・・・。
夕日がきれいに空を染めると、長くなった影法師と共に小学校の校舎はオレンジ色
になる。何年か前に、ホントに見事な夕日に染まる情景を見たことがあった。
そのオレンジ色が、白い桜を後ろから照らして・・・ピンクにしたんだ。
私に、これだけは忘れないように・・・と、電話を待っていた母を思うと、
泣けてくる・・・。
こんなことがあると、この先、母があっちへ逝ってしまってから、
夕日を観るたび、桜を見るたびに、母のことを思い出しそうだから。
朝日は山から昇り、夕日は海に沈む・・・それが私の故郷の景色だ。
夕日が低く、しかし強い光を放つ春と秋・・・
夕日に照らされるのは秋の紅葉だけではない・・・
春の桜も、また夕陽を浴びて、照らされた花(桜)は、ピンク色・・・。
この小学校の桜たちが散ったあと、我が家(実家)の裏にある山桜は
黄緑の葉を伴って、花開き始める。
楚々とした、白い桜・・・台所の窓からよく見える。
今年も無事に咲きますように・・・。
~ 了 ~
日本は桜の便り、北上中ですね。
読んでくださってありがとうございました。
こちらも雪が消えれば桜が待たれる季節となります・・
(日本ほどじゃないですけど)こちらは、桜もあるけど、サクランボの木が
そこら中に~開花すると白いチェリーの花盛りになります。
その桜(サクランボ)の幹を観ながら、つやつやして元気だな、って思って
みていた今日の買い物帰り道でした。