先日の①「逃げ恥」を見ての感想の続き:
🌸同じく8話:
〜 車の中、風見さんが、津崎さんのおかげで思い出したという中学時代の話を
する(津崎さん=主人公。みくりの偽装結婚の相手。これまで女性と付き合った
経験ゼロ。風見さん=津崎の同僚。みくりの伯母さんと知り合ったイケメン男性)
このドラマでは、「自己肯定感のなさ」というのが一つのテーマになっていると
思われる。みくりが、津崎の性質・立ち振る舞いについて分析すると⇧こうなる。
この車の中では、津崎は酔いつぶれて寝ていることになっており(狸寝入り)、
彼を送り届けようとしているのが、風見とみくりのオバサン。
この二人の会話を聴きながら、寝たふりをしている津崎は、自分の自分勝手な解
釈というものに気が付く。
津崎は、いつも、ついつい「自分なんて(明るいみくりさんに比べたら)誰か
らも想われるはずがない。彼女に嫌われて当然だ。彼女に自分のこの不甲斐な
い気持ちが分るわけがない」と思い込んでいた。
でも、風見(自分の想いの関係ないところで、ガールフレンド側が勝手に自分を
卑下して、付き合えないと言ってきた)の昔話~経験談=あの時のガールフレン
ドは、自分側のことばかりを考えて別れ話を出したけれど、風見の気持ちは何も
考えてくれていなかった~、風見自身は何もそんなことを思っていなかった、
自分の気持ちは全然違ったのに云々=を聴きながら、津崎自身、自分のことばか
りを考えて(誰とでも付き合える、明るいみくりと自分は違う。自分はどうせダ
メな奴だ、分かれたって彼女は平気なはず云々)みくりの気持ちや立場になって
考えたことがなかったと気づいたー。
自己肯定感がない、、という面でなく、相手の立場に立って考えることを忘れて
いた津崎・・・の気づきをドラマの中で見ながら、かなり多くの視聴者が自分や
周囲のことに考えを巡らせたのではないかな?と思った・・・。
🌸あれこれ登場人物/主役のナレーション入り、場面変わって
みくり 『誰かを誠実に愛し続けることは、ものすごく大変なことなのかも
しれない。人の気持ちは変えられないけれど、人生のハンドルを握るのは自分。』
これは、みくり側の気づき・・・。
どうして、津崎はこうも自己肯定感が低いのか?
どうしたら、うまく気持ちを伝えられるのか?
どうしたら、彼の本音が分るのか?
どうしたら、彼にとって良い状況を作れるのか…なんていろいろ考えてはみたが、
それらは、(思いやりと裏表)相手に振り回されているということでもあり、
⇧の場面・台詞で、みくりは、自分の気持ちに従おう、自分の人生なんだからと
気持ちを切り替えることにする。
相手のことを思うことは大事だけれど、良かれと思って、配慮してみたところで、
結局、「暖簾に腕押し」が続くと、疲れる・・・これは、どんな人間関係にも
いえることだと思う。
そんな時、自分はこんなに相手のことを考えているのに~と怒りを感じることは
あるだろうけれど、でも、お門違いともいえる。
”相手のことを思っている”のは、こちらの勝手でもあり、結局、自分はどうした
いというのか?、それをしっかり自覚していなくては・・・。
これが、自分の人生、自分がハンドルを握っているということなのだと
(私の解釈)思う。
🌸第10話
みくりのナレーション 背景は、風見と、ユリおばさん
『どんなに奇妙な関係でも意志があれば続いて行く。どちらかが変えたいと願わ
ない限り。バランスを壊さない限り。いつまでもこのまま、続けていける、、』
最後に、⇧ このナレーションを聴いた時、実は、(詳細は省く)私の、なんと
いうかとてもプライベートなことなのだけど、人間関係が頭に浮かんだ。
周囲からどう見えようと、また、当人たちがどう感じていようと、⇧”奇妙な関
係”は、ナレーションの通り、どちらかが意志を持って・あえて・変えようとか
やめようと思わない限り、、、続いて行くのかもしれないなあと思った・・・。
よく、恋愛で、自然消滅なんて言う言葉があるけれど、自然消滅もこの一つとい
えるのかもしれない・・・。
この場合、消滅しているかどうか、それを自覚した時が、”変化の時”かなと、
私はそう思うのだ。
ドラマ内の風見さんとオバサンのユリさんは、かなり年の差(男性が年下)が
あり、それらすべて踏まえた上で自分の気持ちに向き合って"お付き合い"する
関係に動こうとしている~このお付き合いの関係が、どこまで続くかは、視聴
者には分からないけれど・・・。
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先日の【今更ですが、「逃げ恥」①】の冒頭に書いた、SNSで見つけた言葉:
『 If you're not sure what to say, take a deep breath and a dramatic
pause. Maybe somebody else will talk first. 』
by Picard management tips
~「もし、あなたが何と言っていいのか、分からない時(定かではない場合)
まず、深呼吸・大きく息を吸って、十分に空白の時間(ポーズ)を取なさい。
おそらくは別の誰かが先に話し出すだろうから・・・」(※:邦訳、ブログ筆者)
(※)=それを待ってからでも遅くはないし、もじもじしているより見た目もいい。
逃げ恥を思い出したのは、①に書いたとおりだけど、韓国ドラマ「ミセン」にも
この言葉や「逃げ恥」と共通しているなと思える場面があった。
主人公のチャン・グレが、同期入社の同僚たちに向かって言う言葉で、
『勢い孤なれば和を取れ』とつぶやき、同僚(三人)が、何か言った?という
反応の中、チャン・グレは続けて、
「逆流が起きても動じてはならず、、、つまり自分の流れを守れば、相手には
逆流になるんだ・・」と解説する。
(ドラマの字幕上、”勢い弧なれば”となっていたけれど、ググってみると弧では
なく孤らしい)
新入社員(グレは、契約社員としての採用)の彼らは、それぞれの上司との
関係で悩むことが多く、紅一点の同僚が男社会の班の中で黙って耐えている所に、
別の同僚が、「もっと強くなれ」と上司に反論してもいいんじゃないかみたいな
ことを言った。ところが、グレは、この『勢孤取和』と引用し、むやみに相手に
立ち向かうのではなく、自分にとって有利な状態になるまで待つ(いつか自分が
モノを言える状況が来る)方が賢い、と言った、そういう場面。
これは、囲碁十訣にある言葉(注)らしく、もともとは孫氏の兵法なのかな???
”逃げる”というのとは違うかもしれないけれど、時を待つ、タイミングを観ると
いう点では、逃げ恥のことわざにも、⇧の深呼吸をして時間を稼ぐということに
も通じるなと思った次第。
日本のドラマでも、韓国ドラマでも、ドラマ中でいろんな気づきを感じることが
ある。脚本家、原作者(そして翻訳してくださる方)に感謝!
~ 了 ~
長々と書きましたが、読んでくださり、お付き合いくださりありがとうございました。
(注)
”勢孤取和”=孤立している時には穏やかにしよう
=(囲碁の世界で)孤立した石は欲張らないで、いい加減の相場で治まる
のが良い/囲碁十訣の(十番目)最後には、自分の弱い石が孤立している時は、
なるべく援軍を出して意志を余興すべきという考え方 ~(インターネットより)
※多分、会社や何かのミーティング、会議などで意見や感想を求められたり
するような場面でのことだと想像できるが、単に友達同士の話の中であっても
何か言わなきゃいけないようなときに、でも、なんて言っていいか分からない、
迷っている時、一応、考えているし、言いたいことがないわけじゃない、、、
でも、よくよく考えているんだよ、ということをこの態度で示すことができる、、、
そういうことだと私(ブログ筆者)は解釈した。