情 け な い ! !

もう…今場所の感想はこの一言に尽きる。
荒れる春場所とはよく言ったものだがそれにしても酷すぎる。
新入幕の尊富士と2場所目の大の里の二人に易々と終始先頭を走らせ、あまつさえ尊富士にあっさりと歴史的な賜杯を抱かせてしまった。
これを恥と言わずして何というのか。
二人の優勝争いを許してしまった上位陣には猛省を強く求めたい。
(豊昇龍は最終盤に二人を倒し何とか意地を見せた形にはなったが…)

転じて。
番付を異例のスピードで駆け上がり、一気に新入幕優勝を成し遂げた尊富士。
いやいや場所前の予想を遥かに超える大旋風。
14日目に受けた脚のケガの状況が気になるところではあるが…無理をおして千秋楽に強行出場したことがこの先長い相撲人生に影響を及ぼさないことを祈るばかり。
ケガの程度が重くないことを願う。
とまれ、上位総当たりの番付に上がるであろう来場所また大勝ちをするようだと…一気に大関レース参戦もありえる。

最後まで尊富士と共に優勝争いをリードした幕内2場所目、西5枚目の大の里も11勝と大暴れ。
早くも来場所の新三役もあり得る。
東2枚目8勝の熱海富士と比較しどちらを西小結にするか。
番付編成会議でどう判断するか注目。

さて…『戦犯』ともいえる上位陣ではあるが…。
横綱照ノ富士の休場はまあ…正直想定内だった。
最早二場所続けて相撲をとり続けられる足腰では無いのだろう。

一番の『責任者』は…やはり大関霧島だろう。
序盤から終始力が入らずまさかの皆勤二桁負け越し。
先場所の綱取り失敗が尾を引いている、ということは無いだろうが…かなりどこかが悪いのだろう。
とにかく気合を入れ直しカド番となる来場所に向かってほしい。

琴ノ若が一場所限定として『琴ノ若』の名のまま新大関の土俵に上がったが…10勝に終わった。
一応新大関で10勝ならギリギリ及第点。
どうやら来場所からは伝統ある『琴櫻』の四股名に改名する決意を固めたようで。
ただ…大銀杏も結えない若手二人に優勝争いをさらわれた今場所は歯がゆい思いを味わったはず。
今回の悔しさを心に秘め、更なる研鑽を期待。

カド番で臨んだ貴景勝は(場所前の予想に反し)千秋楽を待たずにカド番を脱出(翌日から休場したが)。
本人が一番ホッとしていることだろう。
できる限りしっかり古傷をケアし5月に備えて欲しい。
(何だったらまたカド番にはなるが5月は休んで、万全の状態で7月に挑むのも一考と思えるが…)

次の大関レース筆頭と思われた関脇大栄翔は負け越し。
しかも7勝も出来なかったため来場所は平幕に落ちることになりそう。
これで完全に大関は『出直し』。
かなり動きが悪かったのでどこか悪かったのだろうが…。

西筆頭の朝乃山が9勝を挙げ、どうやら(ようやく)来場所三役に戻ることが出来そう。
だがここはあくまで大関に戻るためのスタート地点に過ぎない。
ここからは常に二桁以上の結果を残すことが求められる。
取りこぼしが多く直近ほとんど二桁を勝てていない朝乃山。
本当の勝負はこれから…!

人気者の遠藤が先場所に続いて大きく負け越し。
先場所も十両に落ちておかしくなかった番付、成績ながら運良く幕内に残れはしたものの流石に今回は…。
十両上位者の成績から見ても陥落必至。
果たして復活はなるのか…。

ケガから回復し、今場所からは十両の土俵に上がった若隆景と伯桜鵬。
共に勝ち越すことは出来たものの…二桁に届かず。
この地位でこの二人の地力を鑑みれば、成績としては物足りないと言わざるを得ない。
しっかり稽古をし直して来場所こそ大勝ちを期待したい。

さあ…次は夏場所。
旋風を巻き起こした二人。
更なる波乱を巻き起こすのか。
無論次は上位陣も徹底的に研究してくるだろうから今場所のようにはいかない…はず。

今から楽しみに待とう。