「子どもにちゃんと応答すること」
「子どもが安心できる環境、安全だと信じられる環境を与えること」
煎じつめたら、すべての子どものために必要なのは、ただそれだけとも言えるのです。
ただ、現実的にそれを実行、実現するには、いくつかの知識、そしてスキル(技術)も必要です。
「子どもに適切に応答して安全な環境に置いて育てる」なんて、ごく「当たり前のこと」のように感じる人もいるかもしれませんが、実は意識的にせよ、無意識的にせよ、そこにはさまざまな知恵やスキルが使われているのです。
本来は、特に誰に学ぶことがなくても、親は自分が育てられたときの経験や、親戚、近隣の子育てなどを見て、教師としたり反面教師としたりして、自らが育てられながら、「育てる技術」のようなものを学習していきます。大人たちは知らず知らず、自分の体験を繰り返すように自分の子どもを育てきたのです。
ただ日本の社会はどんどん核家族化が進み、都会でも地方でも祖父母との同居はどんどん減っています。おじいちゃんやおばあちゃんの家は遠くにあって年に1~2度遊びに行くだけの場所になっていることも少なくないでしょう。お母さんやお父さん自身もそういう環境で育っていることが多くなっています。
さらに地域のつきあいはどんどん減っているし、マンションだと隣にどんな人が住んでいるのかもわからないことが珍しくない。
どうしてもお母さんは孤立してしまいます。子育てでなにか困ったことが出てきても、「こういうときに、子どもにどう対応すればいいんだろう」と迷っても、相談する人が近所にいないし、「ああ、そういうことは、よくあることだからだいじょうぶ」と言ってくれる人も身近にいない。子育て本をあれこれのぞいてもある本は「そういうときは子どもを叱らないで」とあり、別の本は「きちんと叱りましょう」と書いてある。 ネットなどを見ればますます意見はさまざまで、どうすればいいのかわからなくなってしまうでしょう。
お母さんやお父さんが、「どうしていいのかなあ」と迷ったときには、まず、このふたつの柱にまず立ち返ってみてください。