我が家には息子と娘がいるが、現在は夫と私の二人暮らしです。
息子は大学が地方だったため、大学入学と同時に地方で下宿し、社会人になっても
会社の社宅に住んでいる。
娘は社会人になって半年後に自立して家を出た。
楽になっていいじゃないか。と思うだろうが、60代夫婦の二人暮らしもキツイものがある。
たまには若い息吹も欲しくなるのだが、二人ともお正月以外は帰省してこない。
夫は昭和世代の九州男児の長男である。
家父長制度など死後になって久しいが、そうやって育ってしまったものはなかなか消えず、
子供が反抗するたびに「誰がお前の学費払ってると思ってるんだ!」を連発する。
だが、中学校の倫理の授業で「親が子供の学費を払うのは親の義務である」
と教えられた娘は、その言葉を聞くたびに内心、反発心を持っていたようだ。
そしてその言葉に反発できるようになった社会人になったと同時に、家から出て行った。
以来、家には帰って来ない。
息子も同様である。
父の日は無言で過ぎていく。
母の日はこちらからアクションを起こすのでたまに反応をみせるが、自らの反応はない。
そしてお盆も静かに過ぎていった。
こうして夫婦二人だけの生活になっていくのかと、しみじみ思っている。
狭い我が家に子供たちの戻れる部屋も、もうない。
かつて娘がいた部屋は、今では私の隠れ部屋になっている。