本書を読んで、その通りだと私も思いました。
今回は夏休みの宿題、読書感想文のお届けです(笑。
詳細は本書を読んでいただくとして、
私財を投げ打ってまで良い作品を作ろうとする心意気、その一方では破滅に向かって進んでゆく破天荒さは、本文を読むと、「昭和が生んだロマンを愛でる、憎みきれない悪党」という感を抱きます。
一方で、「金は払うが口も出す」その熱き情熱は、TVの総集編の劇場上映というパターンを形成しただけでなく、
視聴対象を子供より引き上げた中高生へ → 大学生以上の大人のファン層を醸成
アニメの劇版(BGM)をフルオーケストラで → 後の交響組曲「アニメタイトル」のブーム到来
TVまんがから、アニメーションという文化へ → 単体作品のムック本や、果ては豪華本の販売まで
スケール表記の精密アニメのメカ模型 etc・・
個人の熱い想いからそれまでの常識を打ち破る実績は、枚挙に暇がありません。
著作権争いの裁判結果も、本書を読むと納得できる説得力があります。
恐らく現在の製作委員会形式では実現不能な個人判断による熱い想いがファンの心をガッチリ掴んだ相乗効果により、数々のサクセスにつながったのだと思います。
一方、日の当たる光が強ければ、そのダークな影も濃くなるわけで、こんな事件もありました←当時の記事(A新聞)です。
ヤマトビジネスで儲けた利益が、このように消えてゆきました。
また、巻末には実写版Space Battleship YAMATOの監督、山崎貴氏の後書きも記されております。
両氏の比較した感想では、初代ヤマトのファンとなってアニメ業界で職をなしヤマトIIIからN氏の配下で苦労された出渕氏と、N氏の傍若無人から守られる形で作品を完成されたということで「憧れている」と表しております。
ブームの途中からアニメ製作に加わった出渕氏と、実写CG畑で製作に携わった山崎氏のコメントが如実に現れていると思いました。
N氏も、今は空の上から2199、2202の盛り上がりを眺めてくれていることでしょう。
もしかしたら「俺に監督をやらせろ!」と、こちらに向かって吠えているのかも知れません~