刑法第148条に「通貨偽造の罪」と言う法律があります。
もちろん、これは一般人、民間人がお金を偽造してそれを使用すれば、刑罰が下されると言うものです。
そうすると、現在日本中に流通しているお金「円」を発行したのは、当たり前のことですが、政府と言うことになります。
しかし、驚いたことに政府には、1千兆円以上の借金(財政赤字)があることになっています。
これは一体どうしたことでしょう?
お金を発行する権限を持っているはずの政府に、巨額の借金があると言うのです。
これほど不可解な矛盾が、世の中にあるでしょうか?
そこで冷静になって、そのカラクリを探ってみると「管理通貨制度」と言う通貨発行制度に行き当たります。
ところで、硬貨は政府が発行していますが、紙幣は政府ではなく、日本銀行が発行しています。
これは「管理通貨制度」に基づくのですが、ここに不思議なカラクリがあるのです。
日銀は、紙幣(日本銀行券)を発行しますが、それを民間銀行に送り込むだけで、世の中に直接送り込む事はしません。
日銀は、民間銀行から手形や債券などの金融資産を買い取り、その代金として民間銀行に日本銀行券を支払うのです。これでおしまいです。
後は、民間銀行が日銀券(お金)を貸し出すと(信用創造による)、初めてお金は世の中に出ていくのです。
したがって、実質的にお金を発行しているのは、日銀ではなく、民間銀行と言うことになります。
以上が「管理通貨制度」による通貨発行の実際です。
企業や個人が銀行からお金を借りますが、それだけでは、日本全体に出回る貨幣量としては充分ではありません。
そこで政府が登場し、銀行からお金を借りるのです。
政府が国債を発行すると、その大半を銀行が買います。これで銀行からお金を借りたことになり、そのお金を予算を組んで歳出します。
そうすると、お金が世の中に出ていきます。この回りくどい方法が、政府による通貨発行なのです。
したがって、政府の通貨発行は、会計上は借金(財政赤字)の形を取らざるを得ないのです。
政府は直接お金を発行すれば、借金にはならないのに、管理通貨制度と言うややこしい通貨発行制度を使うので、財政赤字が生まれるのです。
と言う事は、どういうことか?
政府の財政赤字は、本当は借金ではないと言うことです。
むしろ、いくらお金を発行したかと言う記録でしかないのです。
「それなら国債は返済しなくて良いのか!」と言う疑問が湧くでしょう。
そうです、返済しなくて良いのです。なぜなら、国債は立派な金融資産として、世の中に流通しているからです。
銀行や保険会社等は、資金の運用をしなければなりませんが、国債は安全な資産として、多くの投資家が保有したがあるからです。
したがって、国債を全て返済してしまうと、かえって金融界は大混乱を起こすでしょう。
そもそも、「公社債市場」と言う国債などを売買する市場があるので、国が返済しなくても、いつでも国債を現金化することができるのです。
