ある自殺願望を持つ女性が、電話をかけてきた。彼女は以前から、何度も私にメールでリストカットの写真を送ってきていた。
私は『生まれてきたことには必ず意味があること』、『その意味を発見することこそ、本当の人生のスタートであること』、『地上は修行の場であるから、苦ばかりで当然であること』、『苦にはいろいろな種類があること』、『自分から招いた苦で天を怨むのは間違いであること』を話したが、
「わたしには才能なんてない。なんの取り得もないです。わたしなんて必要ないんです。生きている意味がないんです。だから、死んでやるんです」
と言って、どうしても話が合わない。
「なにをしようとも、死にたくなくとも、死ぬべき時には死んでしまうのが私たちです。わざわざ修行を放棄することはないのです。私はあなたが死んでしまったら悲しいです」
「キャハハハハハハハハハハ!!」
彼女は狂ったように笑った。
「あなたにもわたしは止められない!」
その時、帰ってきたお宮様は静かに語りかけた。
「あなたを必要としている人はいます。あなたの居場所はあります。ただ、あなたがいろんな理屈をつけてそこへ行っていないだけです」
彼女は静まった。
「そこにいるの?」
「はい。せっかくの才能を捨てようとする悩めるみなさんとお話をするために、わたしは返って参りました」