連続アメブロ演義「まとひ」 先生の決意 | 連続アメブロ演義 まとひ

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剣龍之介のいま、つたえたい話

中年の女性が言った。

「なぜ他人のためにそれほどがんばるのですか。あなたにどんな得があるのですか。何をたくらんでいるのですか」

そう尋ねられた先生は、おっしゃった。

「われわれ人類は民族、肌の色、言語、宗教的教義、社会的階級、文化慣習の違いに関係なく、兄弟姉妹なのです。ですから、全体の調和に向かって協調すべきです。

国家と国家、階級と階級とを分離し、戦争と敵意、怨恨と流血、拷問と異端審問の原因となるもの、科学と知識、文明と発見の行く手を阻むものには、敢然と立ち向かいます。

何もたくらんでおりません。正しいことだからやるのです。地上で正しいといわれることには、用心すべき事がたくさんありますが、以上に述べた事はすべての方々の良心に反しないと思っています。世界の一員としてやるべきことだから、やっております」