連続アメブロ演義「まとひ」 天下一悟ったという正覚者に対して | 連続アメブロ演義 まとひ

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剣龍之介のいま、つたえたい話

その教祖は 天下一悟りを得た正覚者と自称して、教団を世界中につくり上げていた。
数多くの信者が教祖を崇め、教団の主張以外は全て間違いだという。

その話を聞きつけてきた李項は、先生に尋ねた。

「先生は、彼をどう思われますか」

「国で一番、世界で一番、それは素晴らしいことですが、それが一体どれほど重要なのでしょうか。世界のため、人々のため、助けを求めている数多くの他人のためにどれだけ役立っているか。それこそが重要だと、私は思います。

たとえどんなに小さな事でも、他人のため、世界の前進のために役立っているなら、それは素晴らしいことなのです。どんな動機で何をしたのか、私の関心があるのはそれだけです。順位や序列、社会的名誉は関係はありません」