「幸せの感じ方は人それぞれであって、平等に富や社会的地位を分配したからといって、皆が幸福を感じるわけではないと思います。個人個人によって価値基準が異なるからです。何でも買えると豪語する人が必ずしも幸せとは限らないのです。この一点を見ても、社会は人々の精神的教育を大切にすべきです。
一般的に私達は肉体には十分な保養を与えています。しかしながら、精神には十分な保養を与えているでしょうか。ちょっとでも休息を取ると怠けている、だらしがないなどと責める人がよくいるものです。結果として、日常の激務に追われて、病気にでもならないと休めない事になっているのです。病気になっても休めない人までおります。心に余裕が無い人は他人に愛情や気を配れません。そういった余裕が無い人々に、無垢な子供たちややさしい大人の心が蝕まれているのが現代なのです。
社会は往々にして、子供や人間本来の良さを引き出すどころか迷信や人工的教義、慣例、不条理な制約を押し付けたり、植え付けたりして、判断を混乱させています。人間はまず肉体をたずさえた魂なのです。肉体という地球服を身にまとって、この世に生まれてきているにすぎません」