混乱、ここに極まれりであった。
暴徒は怒号と共に犯人にせまった。
少女殺しに裁きを下せと。
「危険人物から身を守る方法は死刑以外にもあります!どうか、みなさん、聞いて下さい」
暴徒が犯人を屋外に引きずり出した。
役人は見ているだけで何もせぬ。
先生に石が投げられた。張凱も楊齢も頭から血を流している。李風も倒れた。許充も。
「私たちは罪ある者に償いの扉を開けておくべきです。復讐には際限が無い」
暴徒は犯人を処罰した。
私たちは暴徒にもみくちゃにされ、踏まれ、殴られた。そして、治療院にみな、運ばれた。
数日後、犯人を手にかけた暴徒も絞首刑にされ、街に晒された。先生は何もおっしゃられず、
ただ黙って事の顛末を聞いておられた。