どこに行くかも、何を買うかも、全て占いで決めるという若い女性が居た。
ある時、ほうぼうで貰ってきたお札が原因で火事を出し、
女性は、もう金輪際、神も仏も信じないと公言してはばからなくなった。
許攸はそれが許せなかったらしい。
「けしからぬ輩です」
しきりにそればかり漏らしていた時期があった。
人一倍、信を大事にするのが許攸である。
「人間、知性を超えるものは何でも神様と祭り上げてしまった。
人々は神という言葉を、何にでも適用してしまうのです」
先生がおっしゃると許攸は何かを悟った様だった。