連続アメブロ演義「まとひ」 償いについて | 連続アメブロ演義 まとひ

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剣龍之介のいま、つたえたい話

元封が信心深い老婆の話をしていた。老婆は若いとき、たいへんな過ちを犯してしまい、
それで祈っているのだという。

「先生、私が老婆に出来ることはありますでしょうか。」

元封が先生に尋ねた。

「祈ったからといって、過ちが消える事はありません。ただし、行いを変えることで過ちを
償うことが出来ます。」

元封は少し考えてから、また尋ねた。

「先生、私は具体的にどうすればよいのか、考え付きません。」

「最も良い罪の償いとは、過去に犯した悪にまさって、出来る限りの善を行うことです。」

元封の性質を熟知していた先生は、このように答えた。