書き上げるのに3年かかった小説がある。
その3年の間に、他の小説も書いていたが、兎も角3年かかった。
その小説は第二次世界大戦が舞台のifストーリーで、架空戦記というジャンルに属する。
最初は第二次大戦の資料集めから始めた。何しろ70年以上昔の出来事なので、資料を集めるのにも苦労した。
「物語に許される嘘は1個だけ」という法則があり、例えばゴジラ映画でいえば〝ゴジラ〟だけが嘘で、あとは本当のように物語を作らないと、嘘に嘘を重ねる作り方ではご都合主義になって、物語がつまらなくなってしまう。
次に、押井守監督と似たようなやり方で、書きたいシーンをバラバラに幾つも書いていった。
その物語のブロックを順番を変えながら組み上げていく。
プロットが組み上がったら、小説に直していく。
それで3年かかった。
結果的に、読者の評価は高めだったが、本は売れなかった。
でもまぁ、自分で満足のいく小説が書けたから、それでいいと思う。
