1本高下駄の効用について

考えてみる。


去年の冬に武術研究家の

甲野善紀氏の書かれた本を手にとって、


1本歯の高下駄が

武術の鍛錬に使われていることを知り、

興味を持った。



また、高下駄を履くと

常に重心が定まらず、身体が揺れるので

体重の付加が集中しない。


だから、

膝の痛みがある人や

腰痛もちには

もってこいの治療法であるとも

書かれており、


これは面白いと

感じたわけである。





私の高下駄の歯の前後幅は、

確か約3センチほど。


3センチの下駄の設置面を通して、

身体の重心感覚をモニターしながら

バランスを取る。


つまり、重心を

この3センチ幅以上に動かすと

倒れてしまう。



普通に、足裏で地面と接していれば、

私の場合は、、足のサイズは24.5センチあるから

相当にいい加減なバランスでも

転倒することはないわけだけれど


高下駄を初めて履いた人の中には、

歩行さえできない人もいて、


このバランストレーニングの効果は

容易に想像できる。




さらに下駄は縦方向のみならず、

横方向のバランスもしっかり、

磨いてくれる。


下駄は木でできているから

硬い。


靴のように柔らかい材質のものだと

横方向のバランスがいい加減でも

倒れない。



もちろん、アスファルトなどの

平らな地面での話に限るが、


下駄では、地面をフラットに捉えられなければ

倒れてしまうのだが、

これは心配しなくても

自然とフラットに踏めるものである。


歯の幅が

自分の足以上に大きいのだから

当然のことかも知れないが、


しっかりとフラットに踏む感覚が磨かれるから

膝の痛みがある人にも

当然効果的だ。


スキーで特に女性に多いといわれる

エックス脚の矯正にも

大いに効果が期待できるはずだ。


とはいっても

スキー滑走でのエックス脚の動きは、

単に足裏がフラット踏めれば完全に治るというものでは

ないと思うけれど。



でもこんな話がある。

私の友人で、すでに70中盤を超えている

アスリートがいる。


彼がスキーのインストラクターに混じって、

デモンストレーターのレッスンを受けているとき、


スキーをフラットに踏んで、

OKをもらったのは、彼一人だったと。




彼は、

学生時代は下駄で通学をしていた時代の

若者である。


2本歯ではあるが、

高下駄を履いて走り回っている学生がいる

時代であったらしい。


その時代の下駄履きの男子学生は、

フラット感覚が身にしみているようだ。


いままでの長いスポーツ経験のなかでも

膝を痛めたことは一度もないと伺った。



私は、健康にもスポーツにも

下駄の効用を見直し、

現代に蘇らせたいと思っている。

一人である。






そんなわけで急斜面の新雪も

コブも先シーズンラストのバランスより、

よいかもしれない。


そう思えるぐらい

いいのだ。



主に家のなかで高下駄を履くことが多く、

朝起きて、まだ意識がしっかりしない状況で

トイレ迄移動する、


最近はちょっとサボりがちであったが、

顔を洗うときなどにも

履いていた。




顔を洗うには

重心を下げてスクワットのような

姿勢になるのだが、


スクワットの低い体勢で

洗顔のために目をつぶると


どうしてもバランスを崩してしまい、

意外と難しい。


前にふらふら、

バランスを取りも戻そうとして

今度は後ろにもふらふらと、

なんとも情けない。


目という感覚器官を失うと、

ほとんど静止しているような状況においても

とたんにバランスを崩してしまう。



下駄の驚くべき効用が感じ取れたので、

今後はしっかりと取組みたい。