「分かっているじゃないか。貴様との戦い、なかなか楽しませてもらった」
ハカイダーは歩みを止め、振り向きざまにほむらを見据えた。
「出来れば、もう会いたくは無いけれど」
「フン、嫌われたものだ。せいぜい、拾った命を大事にする事だな」
そしてハカイダーは森の奥へと消えて行った。
(…「命」…)
残るはメメーンと、天狗塚の悪霊。
「ま、まだだ…! まだここで終わるわけには…!
今度こそ天魔大王様の復活を成し遂げるためにも!」
「やはりお前たち宇宙妖怪の目的はそれか!」
「その通りよ…! 天魔大王様のお力さえあれば、貴様達など!」
「鬼太郎、その何とか、って奴はそんなに凄いのか?」
「ああ。とんでもない奴だった。復活した天魔大王は東京の街を一瞬にして廃墟と化す程に」
(…まるで「ワルプルギスの夜」ね)
かつて、宇宙妖怪の企みによって鬼太郎が処刑されてしまう未来を変えるために始まった
時空を超える旅。
その旅の果て、古の昔に封印された宇宙妖怪の長、天魔大王は復活した。
「恐らく宇宙妖怪はワシらと同様『石臼』を使ってこの時代にやって来たに違いない」
過去や未来へ行く事が出来る不思議な道具『石臼』。
「僕達を元の時代に帰すために足止めをしてくれていた地獄童子を殺して…!」
「馬鹿な奴よ。我ら宇宙妖怪を相手にしてたった独りで戦いを挑むなんぞな」
「黙れ!!」