(くっ……! 思ったより、厳しいわ……! この状態で私も撃てるかしら……?)
カズマが精製したシェルブリットにはマスケット銃が、つまるところ巴マミの魔力が内包されている。
彼女はそれを制御し、カズマの拳から必殺技――ティロ・フィナーレを放とうとしていた。
(いいえ、やるのよ! こんなところで弱音なんか吐いてられない!)
「カッコイイ所、見せるわよ!」
魔力を介して分かる。
カズマの拳が臨界に達している。タイミングを合わせるのはそう難しくはなさそうだ。
――瞬間、カズマが弾丸と化した。
「シェルブリット――!!」「ティロ・――」
「バーストォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」「フィナーレ!!」
閃光、目も眩むほどの。轟音、骨髄に響くほどの!
木々が揺れ、地面が軋み、付近にいた動物達が一斉に逃げ出した。閃光と轟音は一瞬では収まらない。
「オオオオオアアアアアアア――ッ!!」
カズマの拳は限界を超える。
だが、マミの魔力がプロテクターの役割を果たし、想定を遥かに超える威力を生み出していた。