「どう言うカラクリか知らんが、よく異邦の者が流れ着くらしいのだよ」
「何!?」
「こいつらが、俺の相手か?」
黒ずくめのサングラスの男。
「何者だ?」
「俺の名は、ハカイダー」
そう名乗ると、全身から稲妻のような光を発し、
男の皮膚は弾け飛び、その中から漆黒のメカニカルボディが曝け出された。
「ロ、ロボット!?」
「な、何アレ…人間の脳ミソ…?」
その頭部には透明なカプセルに包み込まれた人間の脳と思われるモノ。
「異邦の者、と言ったわね。もしやそいつもヴァンや宮藤芳佳のように…」
「どっか別の世界から来たって事?」
「このロストグラウンドと言う場所には、やはり何かがある…」
世界の特異点となった渋谷と同じく、
このロストグラウンドには異邦の者を呼び寄せる特別な因子が存在する。
ほむらはそう推察した。しかし、今はそれを論じている場合では無い。
「それと、そこの妙な左手を持つ男」
「お、俺の事か…?」
「人気者は辛いな。貴様に会いたいと言う者がいるぞ」
「!?」
ミミーンがそう言ったと同時に、
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
「うわっ!?」
耳を劈くような叫び声が轟いたかと思うと、空が暗くなる。空気が重苦しいものに変わる。
足元に泥濘のようなドロドロしたものが広がる。
「これは…結界!?」
「って事は魔女!?」
「いや違う、これは!」