小説・CROSS HEROES tss 第69話「メメーンは笑う」 | tの丸顔ブログ

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世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

森の茂みを抜け、明るい場所に出る。そこには。

「!? まどか!」

積み上げた石で作られた台座の上に、鹿目まどかは寝かされていた。
怪我をしている様子は無い。眠っているようにただただ、微動だにしない。

「…息はある。脈も」

すぐさままどかに駆け寄り、確認を取るほむら。

「まどか…良かったぁ~」

張り詰めた空気で臨んださやか達の緊張が一気に解れる。

「…妙だな。宇宙妖怪は何処だ? この場にまどか君だけを残して…」

待ち構えていると思われたメメーンの姿が無い。

「仲間がやられたんで、逃げちゃった…とか?」
「どうかしら…」

『よぉうこそ…』

「!?」

一瞬にして走る怖気。

「出たな…!」

一斉に振り返るぬ~べ~達。そこには。

「ふっふっふっふ…」

のし、のしと足音を立てて、森の中からメメーンが姿を現す。

「こんな所までわざわざやって来るとは。ご苦労な事だな」
「余裕ぶっこいてるのもそれまでだよ、宇宙妖怪!
アンタの仲間は、マミさん達がやっつけたんだからね!」
「ほぉう?」

「クンクーンとミミーンがやられたのか」
(…妙だわ。何故こいつはこんなに落ち着き払っているの)

ほむらが抱く違和感。現時点でも1対4。時間が経てばマミや鬼太郎達もいずれはここに合流する。
圧倒的不利な状況。にも関わらず、メメーンのこの余裕の態度。

「この荒野は、実に珍妙な場所でな」