森の茂みを抜け、明るい場所に出る。そこには。
「!? まどか!」
積み上げた石で作られた台座の上に、鹿目まどかは寝かされていた。
怪我をしている様子は無い。眠っているようにただただ、微動だにしない。
「…息はある。脈も」
すぐさままどかに駆け寄り、確認を取るほむら。
「まどか…良かったぁ~」
張り詰めた空気で臨んださやか達の緊張が一気に解れる。
「…妙だな。宇宙妖怪は何処だ? この場にまどか君だけを残して…」
待ち構えていると思われたメメーンの姿が無い。
「仲間がやられたんで、逃げちゃった…とか?」
「どうかしら…」
『よぉうこそ…』
「!?」
一瞬にして走る怖気。
「出たな…!」
一斉に振り返るぬ~べ~達。そこには。
「ふっふっふっふ…」
のし、のしと足音を立てて、森の中からメメーンが姿を現す。
「こんな所までわざわざやって来るとは。ご苦労な事だな」
「余裕ぶっこいてるのもそれまでだよ、宇宙妖怪!
アンタの仲間は、マミさん達がやっつけたんだからね!」
「ほぉう?」
「クンクーンとミミーンがやられたのか」
(…妙だわ。何故こいつはこんなに落ち着き払っているの)
ほむらが抱く違和感。現時点でも1対4。時間が経てばマミや鬼太郎達もいずれはここに合流する。
圧倒的不利な状況。にも関わらず、メメーンのこの余裕の態度。
「この荒野は、実に珍妙な場所でな」