小説・CROSS HEROES tss 第57話「FAKE」 | tの丸顔ブログ

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世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

「地獄童子!」

思わず、鬼太郎はその背中に駆け寄った。

「地獄童子、良かった。無事だったんだな!」

肩に手を置くと、ゆっくりと地獄童子は振り返った。

「…」
「鬼太郎の仲間…だったのか?」

「地獄童子、この森には宇宙妖怪が潜んでいるんだ。覚えているだろう?
あの時、僕達が戦った連中さ」
「…」

しかし、地獄童子は鬼太郎の問い掛けに答えず、黙ったままでいる。

「地獄童子?」
「おい零児、様子がおかしいんとちゃうか?」

「何だ? 嫌な予感が消えねえ…ん!?」
「なぁ、何とか言ってくれよ、地…」

「鬼太郎、そいつから離れろ!」

不穏な静寂を破ったのは、えん魔。

「妖能力! 火炎爆弾ッ!!」

「うわっ!?」

地獄童子目がけて放たれた火の玉。鬼太郎と地獄童子はそれぞれ反対側に飛び退いて、直撃を免れた。

「何をするんだ、えん魔くん!?」
「そいつの影を良く見てみろ、鬼太郎!」

「影…あっ!?」

地獄童子の足元に伸びる影。それは…人の形を成していなかった。

「…」

気づかれるや否や、
それまで無表情だった地獄童子は不気味な笑みを浮かべ、ドロドロに溶けてしまった。

「こ、こいつは…!?」

再び、その形が再構成される。その姿は。

「宇宙妖怪…!!」

そう、あの時。

『まだ生きていたのか! 鬼太郎! このしつこい奴は俺に任せて、お前は元の世界に帰るんだ!!』