「ヴァン! さっさとこいつら追っ払っちゃってよ! 気持ち悪い…まだいっぱいいるし…」
車の陰に芳佳と隠れているカルメンが野次を飛ばす。
「ああ? だったらお前が相手をしてみるか?」
「嫌よ、こんな奴らと戦うの! 暴れるのはアンタの仕事でしょ!」
「だから、俺は別に自分で暴れたいわけじゃ…ん?」
混乱に乗じて、市街入場ゲートを突破して来た君島のバギーがやってくる。
「見つけた…! 見つけたぞッ!!」
まだ走行中のバギーからカズマが飛び降り、ヴァンの目の前に着地する。
「ぃよォ。さっきはよくも俺達を騙してくれたなァ。ガンソードの何とかさんよォ!」
「…ヴァンだ」
「へっ、そうかい!」
「あっちゃ~…ヴァンが賞金首だって気づかれちゃったか。それにしても何てタイミングの悪い…」
「さあ、喧嘩をやろうぜ…って言いたい所だが…何だ、このデカい化け物は。アンタのアルターか?」
「知らん。いきなり空から降って来た。俺達も襲われている所だ」
「おい、カズマ! 何かヤバそうだぞ! ここは一旦ズラかろうぜ!」
君島は怪物の姿を見てすっかり逃げ腰になってしまっているが、
「逃げるかよ!」
カズマはその弱気な考えに『反逆』した。
「ここまで来たんだ、おめおめと尻尾巻いて逃げられっかよ。そいつは、俺の生き方に反する!」
この世のあらゆる障壁から逃げず、真正面から突き進む。