小説・CROSS HEROES 第12話「Intruder」 | tの丸顔ブログ

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世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

安倍晴明は自分の腹にめり込んだままのアルカイザーの腕を掴み、

「うおおっ!?」

片腕でアルカイザーの体を軽々と持ち上げ、

「ふんッ!!」

そのまま力任せに地面に叩きつけた。

「がはっ!?」

アスファルトがその衝撃で砕け、ひび割れる。

「チッ! この男、本物の化け物か…!?」

流石の庵も、晴明の底知れなさに驚きを隠せない。

「かぁあああああああああああああああーッ!!」

「ぐあっ!」

安倍晴明の霊圧で3人が吹き飛ばされる。

「くっ…なんて強さなんだ…」
「ふう、貴方達の強さはその程度なのですか? 私を失望させないで頂きたい」

その時、背後から人の声が聞こえた。

「まだだ!まだ終わっちゃいねえぜ! 俺が相手だ! 安倍晴明!」

安倍晴明と京達との戦いに乱入した謎の男。



――その頃、渋谷に到着した零児達は神楽の行方を追い、悪霊達と交戦しつつ最深部へと進んで行った。

「護業抜刀法、火燐ッ!!」
「ウウウウウ…!」

零児の炎を纏った斬撃。

「この調子じゃと神楽の奴めも無事でおるかどうか」
「猫探しの次はゴーストバスター? …はぁ」

「うう…」

零児が先陣を切って悪霊を退治していく中、最後尾を歩いていたのが美千恵。
とても具合が悪そうだ。

「大丈夫、ミッチ…? 顔真っ青じゃない…」

渋谷に渦巻く瘴気。至って普通の人間であるミッチには体調まで損なう程のようだ。

「美千恵、儂の後ろにおれ。小牟ちゃんの仙術で気分を和らげちゃる」