合意がなされたことでパワハラについては歌劇団の認めるところとなりました。その背景には過酷な労働時間等組織が責を負う環境としての要因と宙組というグループにおける個人間のパワハラという複合的な要因がありました。従って会見で経営陣が言うように環境作りに瑕疵があったことは疑いようのない事実でしょう。しかし、その環境面のみが悲劇を生んだ唯一の原因であると繰り返し個人、特にパワハラ認定された上級生の言動についてなんら処分がないばかりか組織の責任であると問題の本質を見誤ったコメントに終始したことが未だ続く不信感と強い反発を生んでいることは間違いありません。
こうした責任を取らせるということがなされていない現状は解決と感じない最も大きな要因と言えます。


そして、責任を当該個人に取らせないことによって生じたのは組全体、ひいては宝塚歌劇団に属する、あるいは所属していた全てが色眼鏡で見られ始めているという現象です。
これは十数年前に起きた96期問題でも同様ですが、誰が貶めるようなことをしたのかがあやふやなまま終わったことで関与のなかった生徒すら同じ学年というだけで悪いイメージがついてしまった可能性があるということです。
こうしたイメージ低下で記憶している最も分かりやすい例はとある大学のアメフト部の悪質タックル問題です。あの一件により当時部活に全く関係のない学生すら就職活動中にかなり苦労したという話も耳にしました。このような無関係の人物にまで波及しかねないからこそ個人の責任をしっかりと明確に示さなければならないのです。
以前も投稿しましたが今回の件以来、宝塚歌劇関係は在団生徒OG問わず非常に厳しい目を向けられいて、報道で名前ひとつ出なかった生徒すら「犯人ではないか」という心無い言葉に晒されています。
調べて書かない人間も罪ですが、そのような状況を生じさせたのはパワハラを事実上黙認した歌劇団の責任です。まして無関係の生徒を風評被害に晒したまま保身のために行為者を庇いつつけるなど愚の骨頂です。


繰り返しになりますがこうした現状を改善するためにも、行為の責任はきっちりと当該個人にペナルティとして取らせるべきだと考えます。
事実を元にした一貫性のある処分こそ、劇団の信頼を回復する唯一の方法です。