観劇記録です。本日は月組公演

『フリューゲル -君がくれた翼-』『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』を。

※例にってこれからご覧になる予定の方は内容に触れますので念のため閲覧ご注意です。

 

 

『フリューゲル -君がくれた翼-』 齋藤吉正先生のオリジナル作品です。

ショーが主体の演出家先生ですが、今回はお芝居作品をご担当。毎回かなり目に刺激の強いお衣装が多い印象です。派手だったり色遣いが激しかったり。軍人の方々は史実に則しているので大丈夫ですが。色合いの派手なのが少し苦手な自分は毎回びっくりしてしまいます。

東西分裂していた時代のドイツが舞台。ベルリンの壁崩壊までを描きます。東ドイツの軍人・月城かなとさん演じるヨナス・ハインリッヒは国内不満のガス抜きとして開催されるコンサートの警備を任命されることに。コンサート出演予定の海乃美月さん演じるナディア・シュナイダーとの出会いをきっかけにぶつかり合いながらも理解していくことになる。崩壊間近の東西ドイツ。国民、軍人、そのすべての心も同じように揺れ動く中で起こる事件を時にユーモラスに表現されている作品でした。

 

軍服姿の月城さん、やはりかっこよかったですね。途中の私服もおすすめです。歌声が柔らかなのも心地よくて良いです。キャラクターとしては真面目な位置づけなので、ナディアに振り回されるときの呆れ顔など表情の繊細さが際立ちました。そのナディアも自由奔放で勝手な振る舞いもありつつですが、思いやりや実直さも垣間見えるのでキャラとして魅力的でしたね。海乃さんの美しさが際立ちました。ライブシーンの黒いお衣装が個人的には大好きです。お二人の掛け合いといえば、やはり宿泊先で匿った女性をかばうため恋人のふりをするところでしょうか。いわゆるお色気で海乃さんの声音もそれに合わせた色っぽいものとなっています。そこに月城さんの面白いリアクションが入るので、下品さはなくコミカルさに昇華されているのも魅力的でした。

鳳月杏さん演じるヘルムート・ヴォルフはこの中でも東ドイツに誇りを強く持っています。様々暗躍するお役柄なので、ポップなシーンはありませんが身にまとった軍服と洗練された佇まいがとても良かったです。

風間柚乃さん演じるルイス・ヴァグナーは表では派遣されたナディアのマネージャーですが、実は・・・といった位置づけです。コミカルさが前面に押し出されているのでその正体が後半まではっきりしないのが面白いですね。ある種一番美味しいように思いました。

 

個人的にはあと、白河りりさんがかわいかったです。仏頂面で冷静なのかと思いきや、意外とミーハーだったり度胸があったり。ヨナスの家に来た時のお衣装は軍服とのギャップがあってなお良かったです。

 

比較的新しい歴史上の出来事であること、各キャラクターの位置づけや関係性、性格などがはっきりしていることもあり非常にわかりやすい作品でした。

 

 

『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』

栗田優香先生の大劇場デビュー作です。

最近、ショー作品でもストーリー性を持たせることが増えてきましたよね。それが吉と出るか凶とでるかは作品次第ですが。個人的にはセリフがなく流れがわかりづらいので、あいまいな解釈で消化不良になるくらいなら従来のコンセプト世界観縛りのショー作品のほうがいいと思っています。要は伝え方の工夫ですね。前提条件を明示しにくい、つながりが希薄に映るショー作品ならではのエッセンスが必要に思います。

 

さて、作品の大まかな設定は花火師と花魁の輪廻転生続く恋物語。時代ごとの東京が舞台となっています。と言っては見ましたが、お恥ずかしいことに初見では東京が舞台ということしか理解できなかったんですよね。文学作品をモチーフにしたシーンもあるのですが、理解が及ばず・・・。自分の知識の狭さに呆れるばかりでした。

この作品、時代の変遷に伴い和洋折衷様々なお衣装が登場するのですが、中詰め前の海乃さんのチャイナドレス姿がとても印象に残っています。好きな人のいろんな姿が見れるの、やっぱりいいですよね。

中詰め、ピンクのお衣装とともに始まるシティポップな楽曲のシーンはとても楽しかったです。耳残りして曲を探したくらいですから。あの時代の楽曲は自然と体に入ってきますし、様々な名曲を詰め合わせたショー作品があったら見たいですね。

あと印象的だったのは群舞からのデュエットダンス、一連がすべてシームレスでつながっていくの珍しいですよね。『FULL SWING』以来ですが、月城さん海乃さんはこうした機会・演出が多いように感じます。

 

以上観劇記録でした。

過去の思い出との分け方ですが思案中です。とりあえず新しく観劇するまでは1.2年前の公演作品を記録としましょうかねぇ。

amembo