違和感を覚えた言葉づかい1「おタバコをお吸いになられるお客様」 | 芦屋話し方教室 元日本テレビ系列局アナウンサーが教える『伝わる』話し方

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元 日本テレビ系列局アナウンサー。現在は信頼関係を築くコミュニケーション、お客様から選ばれる接客などを伝える研修講師。
全国各地で研修依頼を受ける他、どなたでもご参加いただける話し方教室を地元芦屋市で開催中!

きょうから違和感を覚えた言葉づかいを聞いた時には、それをブログを書き、

よりスッキリした言葉づかいをご紹介したり、

みなさんと一緒により良い表現を考えたりできたらと思っています。

 

「間違った言葉づかい」と言い切らず「違和感を覚えた言葉づかい」というタイトルにしたのには、理由があります。

 

言葉づかいは、時代の流れとともに変化し、

これまでは誤りとされていたことが、

多くの人が使うことによって、やがて誤りでなくなる場合があったり、

いろいろな説が存在するグレーゾーンがあったりするからです。

 

私は日本語学者ではありませんが、

元アナウンサーとして、私自身がより考察するためにも、

違和感を覚えた言葉づかいについて、ブログで取り上げていこうと思います。

 

そして、特に接客業の方がお客様から信頼される話し方について、

再考するきっかけにもなれば嬉しいです。

 

では、本題です。

きのう「?」と感じたのは…

 

「おタバコをお吸いになられるお客様」

某ショッピングモールでの館内放送です。

 

 

タバコを吸う人は指定の場所で…と促す内容ですが、

「お吸いになられる」は「二重敬語」という誤りです。

「誤り」と言い切れるレベルで、聞いていてかなり違和感がありました。

 

二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2回使ったもの

 

今回の場合は、

お客様に対して「尊敬語」を使おうとしているのですが、

尊敬語の基本パターン

お・ご〜になる

〜れる・られる

の2つを「吸う」という1つの動詞に使ってしまっています。

 

ですので、よりスッキリ尊敬語で話すには、上記の基本パターンあてはめて

おタバコをお吸いになるお客様

または

おタバコを吸われるお客様

とすると良いです。

 

きのうは館内放送から違和感がある言葉づかいが聞こえてきたので、

「ひょっとしてマニュアルに『お吸いになられるお客様』と書かれているのかな?」

「もしそうなら、全員がそのまま読むのかな?」と思いました。

 

みなさんの職場のマニュアルは大丈夫でしょうか?

二重敬語は多くの人が誤りに気づけずに使っているので、その誤りがうつってしまわないように気をつけたいですね。

 

 

 

 

 

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