#7日間ブックカバーチャレンジ 6冊目

6日目は「音楽史17の視座」

音楽と思想・芸術・田村和紀夫、鳴海史生=著 音楽の友社

社会を解く 音楽史 17の視座―古代ギリシャから小室哲哉まで 

暗記のための音楽史よ、さらば!本書は、17の視座(17の章)を通して音楽史の意味を問い、実際の作品理解により、その生きた姿を浮き彫りにする。

 


一通り音楽史が分かっている方向けの本だと思います。学問の中だけの理解でなく具体的な作品の解釈による17の視座からの考察で、その視点が面白いです。

第二章の音楽と諸芸術の、絵画と音楽の印象派では、ドビュッシーの「海」が取り上げられ、冒頭部分で海原の薄明かりに浮かび上がってくるのはコールアングレとミュート付きトランペットの硬質な音の旋律。それは霞がかかったような繊細で微妙な音楽の色彩の中で、アクセントとして全体を引き締める。~モネの「日の出」の朝日の赤の色彩と意味を重ねている所はなるほど!と芸術が繋がりました