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三鷹トリガーポイント鍼灸院          痛み治療のブログ

病院でとれない痛みで悩んでいる方に読んでいただきたい話

 

首の痛みのため、首を真っすぐにできない治療前(上)。治療後、痛みが取れて首を真っすぐ出来るようになりました。(下)

 

 ウイーン出身の生理学者ハンス・セリエは、生体にストレッサー(ストレス要因)が加わると、そのストレス作用が一定の反応経過をたどるというストレス学説を提唱しました。

 身体に生じる一連の反応は、生体にとって適応的な反応であることから、「汎適応症候群GAS」と呼ばれます。

 生体に強いストレッサーが加えられ続けると、次の3つの反応が時間経過とともに現れます。

すなわち、①警告反応期 ②抵抗期 ③疲憊(ひはい)期です。

 

以下、Wikiから引用。 

https://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%A8

 

警告反応期

 ストレッサーに対する警報を発し、ストレスに耐えるための内部環境を急速に準備する緊急反応をする時期です。

警告反応期は、ショック相と反ショック相に分けられ、ショック相では、ストレッサーのショックを受けている時期であり、自律神経のバランスが崩れて、筋弛緩・血圧低下・体温低下・血液濃度の上昇・副腎皮質の縮小などの現象が見られ外部環境への適応ができていない状態と言えます。

このショック相は、数分〜1日程度持続します。一方、反ショック相ではストレス適応反応が本格的に発動される時期で、視床下部、下垂体、副腎皮質から分泌されるホルモンの働きにより、苦痛・不安・緊張の緩和、神経伝達活動の活性化、血圧・体温の上昇、筋緊張促進、血糖値の上昇・副腎皮質の肥大・胸腺リンパ節の萎縮といった現象が見られます。

 

抵抗期

 生体の自己防御機制としてのストレッサーへの適応反応が完成した時期で持続的なストレッサーとストレス耐性が拮抗している安定した時期ですが、この状態を維持するためにはエネルギーが必要であり、エネルギーを消費しすぎて枯渇すると次の疲憊期に突入します。

しかし、疲憊期に入る前にストレッサーが弱まるか消えれば、生体は元へ戻り健康を取り戻します。

 

疲憊期(ひはいき)

 長期間にわたって継続するストレッサーに生体が対抗できなくなり、段階的にストレッサーに対する抵抗力(ストレス耐性)が衰えてきます。

疲憊期の初期には、心拍・血圧・血糖値・体温が低下し、さらに疲弊状態が長期にわたって継続し、ストレッサーが弱まることがなければ、生体はさらに衰弱します。

 

 自律神経失調症の発症には生活の乱れ、ストレス耐性の脆弱さなど多くの原因が関与しますが、特に精神的、身体的、環境的ストレッサーに長期間さらされることが大きな原因なので、上記のストレス学説を踏まえたうえで、この疾患をみていきましょう。

 

 男性は社会的に重要な地位となる壮年期、女性は思春期、妊娠期間中、更年期などに多発するといわれ、その発症頻度は圧倒的に女性の方が多いようです。

 

 身体的症状としては、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、慢性的な疲労、だるさ、動悸、ほてり、不眠、便秘、下痢、微熱、手足のしびれ、頻尿、残尿感などが起こり、精神的症状としては、不安感、気分の落ち込み、やる気が出ない、イライラ、疎外感、うつ状態、あせりを感じるなどが多いようです。

 

 自律神経とは、自分の意思で手足を動かす体性神経と異なり、文字通り自らの意思と関係なく外部刺激および内部刺激に反応しながら自律的に生命を維持するために働く神経です。

 

 自律神経はカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)で活性化される交感神経とコリン(アセチルコリン)で活性化される副交感神経があります。

 

 交感神経は「闘争と逃走時に働く」といわれるように心身を興奮、緊張させる時に優位になり、一方、副交感神経は体を弛緩、リラックスさせる時に優位になります。

これら両神経が緊張と弛緩を繰り返えし、バランスをとり、各臓器を調整し、生命活動のホメオスターシス(恒常性)維持しているのです。

 

体に痛みやコリなどのストレッサーが加わると交感神経が興奮し、筋肉が緊張し血流が悪化します。また、精神的緊張が加わると体は緊張し、血流が悪化し筋肉が硬くなります。

 

 自律神経失調症の根本的な治療はその精神的、身体的ストレッサーを取り除く事です。

 

 体が緩めば心も緩み、心が緩めば体も緩みます。このことから、針治療がいかに自律神経失調症に効果的かがわかると思います。

 

 治療は極めて簡単。

 

 交感神経は第1胸髄から第2腰髄、副交感神経は脳幹と仙髄から出て、各器官に指令を送ります。

 

 つまり、自律神経失調症の治療は頚から腰まで針治療して背中の筋肉を緩め、コリ痛みを取れば良くなるということです。

 

 さらにアロマセラピーや音楽療法、半身浴、足湯などを併用すれば効果はてき面です。

 

 

 

 スタンダール症候群というものがあります。「赤と黒」の著者、フランスの作家スタンダールが、1817年にフィレンツェを旅行した際、サンタ・クローチェ聖堂を訪れ、内部のフレスコ画を見上げていた時、突然、めまいと動揺に襲われたことからスタンダールの名を冠した病名がつきました。 

 

 美容院で洗髪の際、シャンプー台で首を後屈させると同じ症状がでることがあるので、美容院脳卒中症候群とも呼ばれます。 

 

 上述した二つの症候群は正式な病名を椎骨脳底動脈循環不全といいます。脳に血液を送る際に重要な役割を担う椎骨動脈や、脳底動脈と呼ばれる動脈の血流が一過性に低下する状態のことを指します。  

 

 椎骨動脈は鎖骨下動脈から分枝し第6頸椎の横突孔から環椎(第1頸椎)の横突孔を経て脳に向かいます。環椎から大後頭孔に入る際、動脈は大きく湾曲します。このような構造のため、動脈硬化や頸椎横突孔の変形などが生じると、めまい、吐き気、嘔吐、手のしびれといった症状があらわれます。しかし、症状は基本的には一過性のものです。 

 

 さて、「めまい」ですが、めまいは周囲がグルグルと回るような「回転性めまい」と、フラフラとする動揺感、フワフワとして地に足がつかない浮遊感を生じる「仮性めまい」に大別されます。 

 

 回転性めまい(virtigo)の多くは内耳の障害が原因です。身体の平衡は、内耳にある前庭(重力や直線的な加速度を感知する)、三半規管(回転を感知)、視覚や筋肉から脳への情報によって保たれます。そして、その機能のいずれかの変調によって回転性めまいは起こります。代表的なものに「メニエール病」「良性発作性頭位めまい」「前庭神経炎」「突発性難聴」などがあります。 

 ちなみに、ヒッチコックの「めまい」は回転性めまい(virtigo)です。 

 

 仮性めまい(dizziness)の多くは脳の血流障害や自律神経失調によって起こります。脳の血流障害によるものでは、前述したスタンダール症候群のように脳に血液を供給する椎骨脳底動脈の閉塞、狭窄が原因となることが多いです。 

 自律神経失調ではめまい以外にも冷や汗、動悸、息切れなどの症状を呈し、睡眠不足、ストレス、疲労の蓄積などによって悪化します。 

 

 針が適応するのは仮性めまいです。 

 

 頭痛でも用いる後頭下筋群を刺針治療します。ツボでいうと天柱、上天柱。後頭下筋群は頚椎1番あるいは2番と後頭部とを繋ぐもの(大,小後頭直筋や上頭斜筋)と、頚椎1番と2番との間にあるもの(下頭斜筋)とがあって共同で作用して頭部の後屈(伸展),側屈,回旋の動きに関わっています。 

 胸鎖乳突筋もバランサーです。長時間、左右いずれかに置いた資料をパソコンに打ち込むとか、外傷性頸部症候群(鞭打ち損傷)などで胸鎖乳突筋にトリガーポイントができると姿勢性めまいを起こします。ですから、後頭部や頸部の針治療でめまいが改善しない場合は胸鎖乳突筋にも目を向ける必要があります。 

 

 最後に、平衡機能の中枢である延髄や小脳での梗塞、出血、腫瘍によってもめまいは起こるので、症状が重篤な場合はまず耳鼻科や神経内科を受診することをお勧めします。