「冬の時代」の到来とともに増加し続ける「50代プロレスラー」 | ショートポエムforme

「冬の時代」の到来とともに増加し続ける「50代プロレスラー」

永田裕志、小島聡、天山広吉、秋山準、鈴木みのる、船木誠勝、藤田和之、真壁刀義、邪道、外道、ディック東郷、新崎人生、ウルティモ・ドラゴン、杉浦貴、小川良成、望月成晃、ドン・フジイ、田中将斗、TAJIRI、西村修など、現代のプロレス界には昭和の時代にはほぼ皆無だった「50代レスラー」があふれかえるほど存在している。各団体で活躍し続けている彼らの雄姿は、まだ経験の浅い若手レスラーにとっては最高の教材であり、同年代の人間にとっては元気の源でもある。「同年代の〇〇が出場するのなら観戦に行こう」と思うオールドファンも少なからずいるだろう。しかしそのような人たちはごく一部であり、もはや「往年のレジェンドが出場する」というだけでは大幅な観客増員は期待できない。プロレス界の「レジェンドブーム」は過去のものになりつつある。それどころか50代レスラーが頑張れば頑張るほど、「新陳代謝が進まない」「新世代のレスラーが台頭できない」という悪循環に陥っている。かといってプロ野球、Jリーグ、大相撲などのプロスポーツと違って、プロレス界では結果を出せないベテランを解雇することはできない。仮に解雇したとしても、別の団体に活躍の場を移すだけである。「人並みの健康と自分の意志さえあれば、何歳になっても現役続行が可能」というのはプロレス界の長所でもあるが、そのことが人気低迷を誘発している要因の一つになっていることは間違いない。