ホームランに救われた男・山川穂高 | ショートポエムforme

ホームランに救われた男・山川穂高

 野村克也、門田博光、清原和博、落合博満、張本勲、大杉勝男、土井正博、中村紀洋、山﨑武司、江藤慎一、松中信彦、中田翔など歴代の「ホームランバッター」は、性格的に一癖も二癖もある「ジャイアン」気質の強い選手が多い傾向が見られる。球団としては扱いづらい問題児ばかりだが、おしなべて彼らは極めて息の長い現役生活を送っている。それだけ「ホームランをコンスタントに打てる」というのは、生存競争が激しいプロ野球の世界のなかでも高い希少価値をもっている。ソフトバンクに入団が決まった山川穂高もまた、そんな「特性」により生き延びることができた選手の一人である。もし山川が、「内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤー」や「俊足巧打の外野手」だったとしたら、おそらく女性問題が発覚した時点で、元ロッテの清田や元楽天の安楽のように「即解雇」されていただろう。10年のプロ生活で通算218本塁打を打った貴重な和製大砲だったから、西武球団も簡単には山川のクビを切ることができなかった。山川自身も「ホームランバッターである」ということに自負と誇りを感じていたはずだ。しかしそのような「特権意識」があの傲慢な性格へと結びついたとしたら、やはり良くも悪くもホームランには「麻薬」的な魅力があると言わざるを得ない。来季、日本中からの大バッシングを浴びるなかで、山川が何本のホームランを弾き飛ばせるのかを楽しみに傍観したい。