究極の「捕手難時代」に突入 | ショートポエムforme

究極の「捕手難時代」に突入

1990年代から2000年代にかけてプロ野球界には、古田(ヤクルト)、城島(ダイエー)、谷繁(横浜、中日)、伊東(西武)、阿部(巨人)、矢野(阪神)、中村(中日)、里崎(ロッテ)など、「打てる名捕手」が数多く存在していた。そして彼らの多くがリーグ優勝や日本一に多大な貢献を果たしている。しかし2023年の今では、「打てる名捕手」は絶滅寸前となった。一応、「正捕手」としては森(オリックス)、甲斐(ソフトバンク)、中村(ヤクルト)、梅野(阪神)といった選手の名前が挙がるが、上述した存在感抜群の名選手たちと比べると何倍もスケールが小さい。捕手の人材難が進む現在は、各チームとも「キャッチャーは年間を通して3、4人を併用しながら起用していく」のが当たり前になってきている。それだけ捕手という仕事が「超重労働」であることは間違いないが、野球ファンとしては少し淋しい印象を感じる。下手をしたらこのままでは将来、「キャッチャーは人間ではなくロボットが務める」という時代が到来したとしても不思議ではない。〝生涯一捕手〟を自称した野村克也氏も、こうした現状を天国から嘆いているだろう。