春に伸びた影を雨が洗って
6月
傘の上で未熟な思惑は弾ける
夏になったら
君とでかける
久しぶりに二人で遠くへ
似たようなメロディが鳴る街で
拳を自分に向けて打つよなことを
くり返し、くり返しやってしまう
似たような言葉を皆、口走る
君や彼や彼女が
どうしてこうも離れ離れなのかと思い
しかしそれは間違いで、ただ僕独りが
ざらついた想像の映写機の中で
表情を創り、おどけていただけで、
闇の中へやがて無言のままに消えてしまう
どうか永劫に僕を忘れないで
いや、今すぐに僕を忘れてと、
どうしてこうも離れ離れと
圧倒的なソラと砕け散る星々と
ひとりひとりの限りない孤独に
沈まぬ船を浮かべて欲しい
沈黙の中を進むために
夏になったら
君と出かける
ずっとずっと遠くへ