今日は税金のことを離れて
ちょっと書いてみようと思います。
先日、関与を依頼された方から
顧問報酬を値下げしてもらえないかと
言われたのですが
これって、ほんとに難しい問題です。
きちんといただいている
他のお客様に対して失礼になると
思うんですね。
それに、こちらとしても
時間をかけられない。
時間がかけられないと
品質の低下がおこる。
安かろう、悪かろうとなってしまうと
税理士界全体への信頼を
傷つけてしまう。
安い単価だと量をこなさなくては
ならず、従業員にとって負担となる。
この前、ネットで記事が出ていました。
明石家さんまさんの番組、
「さんまのまんま」が終了となるそうで、
その打ち切り理由ですが
さんまさんとしては
たとえタダでしゃべっても構わない。
でも、自分がそうしてしまうと
若手が給料を上げてもらえない。
というようなお話をされていたそうです。
これに似たような話で、
やなせたかしさんから
イラストをタダで提供を
受けていた自治体が
たくさんあることを
吉田戦車さんが批判していました。
大御所がタダで仕事を引き受けるの
はやってはいけないこと。
大金持ちのパン屋がタダで
おいしいパンを配りまくったら
他のパン屋は立場がない
やなせさんみたいな
トップのトップがただ働きしたら、
業界全体の単価が下がるだろ
アンパンマンみたく
無償の愛下さいよ、
って頼む奴は本当恥知らずだと思う、と。
税理士という世界は
明石家さんまさんや
やなせたかしさんのような
巨頭が出現することは
そうそうない世界だとは
思いますが
報酬が下がることで
業界が疲弊するのは
どこも同じこと。
昔、前の事務所に勤めていたとき
お客様から
税理士はパソコンで
ちょちょちょ、っと
申告書を作って
高い報酬をとる、と
言われたことがありました。
その方は農業を営んでいて
私たちは種から植物を育てて
出荷するまで大変な時間が
かかると
税理士はかかる時間は
こんなに短いじゃないかと。
でも、まず税理士になるために
青春をつぶして勉強しているのです。
ちょちょちょ、とやって
受かっちゃったー、という方は
ほんの一握りでしょう。
結構本気で取り組まなくては
税理士は受からないと思います。
青春をつぶして勉強してもなお
業務ではわからないことだらけで
書籍などで調べなくてはなりません。
毎年政治家に振り回される
税制改正も勉強しなくてはですし・・・
お客様の前での時間よりも
見えないところで
膨大な時間が費やされているのです。
税理士は、税理士会を通して
所得の低い方へ
無償での相談に応じています。
所得が低いといっても
年間300万円以下の方です。
収入ではありません。
どうしても税理士報酬が
払えない方は
この制度をぜひ利用して
いただきたいです。
ある程度の報酬を
いただかなくては品質が
保てないこと
税理士業界の質が
下がると、税収に影響が出て
長い時間の間には
国家を揺るがしかねないこと
これらを納税者に
理解してもらうことも
税理士業務のひとつなのかな
と思います。
前出の農業のお客様は
青春をつぶして勉強してきたと
お話したところ、
それ以降二度と報酬が高いと
おっしゃることは
ありませんでした。
税理士の説明不足も
あるかもしれませんね。
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