法人が保有する暗号資産(仮想通貨)の時価評価は、令和6年度税制改正でどう変わるか?

 

暗号資産(仮想通貨)の時価評価は、令和6年度税制改正でどう変わるのかと質問を複数いただいています。

 

とりあえず、法人の保有する暗号資産(仮想通貨)の期末時価評価についてまとめました。

 

日経令和5年12月6日付けの報道通り、「見直しを行う」とはっきり記述されていますがどういう意味なのか・・・

 

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日本経済新聞の令和5年12月6日付で次のような報道がありました。
 
「現状では自社が発行した仮想通貨・トークンを保有する場合は期末での時価評価課税の対象にならない。24年度改正(筆者注:令和6年度税制改正)では他社が発行した仮想通貨などを保つ場合も期末の時価評価課税の対象から外す方向で検討する。」
 
日本経済新聞の令和5年12月6日付の報道通り、令和6年度税制改正大綱14頁には「発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産については、一定の要件の下、期末時価評価課税の対象外とする見直しを行う。」とはっきりと記述されています。
 
SNSの記述に頼るのは良くありませんと、はっきり申し上げておきます。
 
「これまでと何も変わらない」「日経の報道は誤り」等支離滅裂、思いつきの解説が氾濫しています。
 
 

令和6年度税制改正大綱14頁にある「発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産」が「期末時価評価課税の対象外」とされる「一定の要件」とは何でしょうか?

 

はっきりと「見直しを行う」と記述されていますが、どのような意味合いでしょうか?

 

令和6年度税制改正大綱72頁にある「法人が有する市場暗号資産に該当する暗号資産で譲渡についての制限その他の条件が付されている暗号資産の期末における評価額」とは、令和5年度税制改正が中心になる現行税制、自己が発行し継続的に保有している暗号資産(仮想通貨)の一部が時価評価の対象から外れる取扱いを確認しているだけではないでしょうか?

 

「発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産」は時価評価の対象です。現行税制では原価法は適用できません。

 

「発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産」が「期末時価評価課税の対象外」とされる「一定の要件」は、「所要の措置を講ずる。」、つまり、政令、通達に委ねられるということだと思います。

 

この解説が100%正しいとは言い切れないので、暗号資産(仮想通貨)のFAQの改訂、政令、通達の改正を待つしかありません。