がんの遺伝子を解読することにより一人一人に合わせてがんの遺伝子変異に基づいた薬剤選定をする医療を「ゲノム医療」「精密医療(プレシジョンメディシン)」などと言い、我が国でも始まりつつあります。
この医療で必須となるがんゲノム検査が保険適用の前段階である厚労省の部会を通過したとのニュースが飛び込んできました。

「がんゲノム検査、保険適用へ…来春にも」
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181214-OYTET50038/

記事によると来年の春に保険適用され、我が国でもがんゲノム医療が本格始動することになるそうです。
再発が確定し、薬物治療が手薄な癌種であるがゆえに治療が大詰めとなってきた身としては大いに期待しています。

一体どのようなものなのかと興味を持っている方も多いのではと思います。
まとまった情報としては国立がん研究センターのがん情報サービスに解説があります。
国立がん研究センターの患者・市民パネルとして私も微力ながら関わらせていただいたページです。
ぜひご一読下さい。
「がんゲノム医療とがん医療における遺伝子検査」
「がん医療における遺伝子検査 まず、知っておきたいこと」

また、夏に参加した臨床腫瘍学会の患者向けセッションで聞いてきたがんゲノム医療についてまとめた「【臨床腫瘍学会】がんゲノム医療」もご参照いただければと思います。

がんゲノム医療に対する期待は非常に大きいですが、まず1割くらいの人にしか適合する薬がないという医学の限界と、適合する薬が保険適用外であると使えない(使うとしても高額な自費診療である)という我が国の制度の限界によって、それほど多くの人に恩恵をまだもたらせないものであるというのも事実です。
しかしながら新しいがん治療の時代の始まりに間に合いそうなことは本当によかったと思います。
このままがんでは死なない時代の到来まで間に合うように生き延びたいものです。