今日の東京は朝から命の危険を感じる暑さです。
この暑い気温に負けないくらいオンコリスバイオファーマの株価が熱いことになっています。

私も参加してきた19日~21日に神戸で開催された臨床腫瘍学会で、がんウイルス療法を用いた医師主導臨床研究の大変すばらしいデータが発表され、そのおかげでストップ高が続いているようです。
オンコリスバイオファーマからのプレスリリース(PDF)はこちらです。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=43565&code=4588 

オンコリスバイオファーマの腫瘍溶解ウイルス・テロメライシンには私も大きな期待をしています。
以前にもこちらの記事で紹介してきました。
「がんウイルス療法で注目のバイオベンチャー」
「『モノ言う株主がん患者』をめざして」
そもそも末期の悪性リンパ腫の子供がはしかウイルスの感染によって腫瘍が完全に消えてしまったというケースが知られており、がんウイルス療法というのはそこから着想を得たものだそうですね。
安全な形に飼いならしたウイルスを使って腫瘍を溶解させることを目指した治療法です。

肝心の臨床試験の結果です。
■対象:手術不能・化学療法不適応の食道がん13例
■手法:テロメライシンと放射線の併用療法
■奏功(局所):13例中8例で完全奏功(CR)、3例で部分奏功(PR)
■奏効率(CR+PR):84.6%
■有害事象(重篤な副作用):報告なし
なんとも素晴らしい結果です。
まだまだ臨床試験の初期の段階なので本当に実用化できるかどうかは確かではありませんが、無数に開発中の新治療の中でも期待をもって待っていてもよい治療法の一つであることは間違いありません。

オンコリスバイオファーマのプレスリリースでは医師主導臨床試験を行っている藤原教授と浦田社長のコメントが次のように書かれています。

・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学 教授 藤原俊義
 「岡山大学病院では、年間100人を越える食道がんの手術を行っていますが、標準的な手術や化学療法ができない高齢などの患者さんもいらっしゃいます。そんな患者さんにテロメライシンⓇと放射線治療の併用療法を行い、半分以上の方が元気に退院されるのをみて、この治療法を何とか臨床現場に導入したいと改めて感じました。」

・オンコリスバイオファーマ株式会社 代表取締役社長 浦田泰生
 「食道がんの薬物療法は,放射線化学療法(CRT)が主体ですが,化学療法の副作用などで治療が継続できない場合もあります。また,食道がんの手術は長時間を要することが多く,高齢者や臓器不全を合併した人には適用になりません。食道がん治療の新薬も近年市場には出ていない状況において,今回の岡山大学からの報告では13例中8例(62%)の症例でテロメライシン投与局所での食道がんが完全消失(CR)しています。特にステージ2や3のやや進行した症例に対しても同様の効果が出ています。この成果は,テロメライシンⓇと放射線治療の併用が,「がんを切らずに治す」という新しいがん治療の流れを作るものだと確信しています。」

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=43565&code=4588 より)

私もがんになって以降、色々な開発中の新治療を調べました。
その中でもこちらの腫瘍溶解ウイルスは大変期待し、ささやかながら投資させていただいている会社の一つです。
一時はストップ安を食らいどうなることかと思いましたがまったくもって杞憂でした。
今後も目を離せない会社の一つです。

 

臨床腫瘍学会で見聞きしてきたことについては、明後日から始まる入院期間中にまとまった時間が取れますので、そこで少しずつ書いていきたいと思います。

少しお待ちください。